足立朝日

Vol.153 ミュージカル「ダブル」

掲載:2015年5月5日号
世界初の腹話術登場ミュージカル

 いっこく堂が演じる天才腹話術師の愛と苦悩を描いたミュージカル「ダブル」が、シアター1010で上演される。戦前の横浜、スパイ事件の舞台となった劇場で、天才腹話術師とその人形が、一人の女性を奪い合うミステリアスでユニークな奇想天外の恋物語だ。
 出演はいっこく堂と健太くん(人形)はじめ、愛華みれ、宮川浩、内海光司など歌やダンスを期待できる面々。
 演出の高野克己さんは「世界のショービジネス界広しといえども、いっこく堂さんほどの天才はいない。彼とミュージカルを創れるのは大変な喜び。実力派の愛華さん、宮川さん、元・光GENJIリーダーの内海さんにも参加して頂き、日本のミュージカル界に一石を投じる作品にしたい。物語は横浜大空襲。戦前は、現実と虚構が同時に存在するダブルな時代。腹話術をミュージカルにするのは世界初の試みなので、世界に輸出できる日本の文化として、このオリジナルミュージカルを創っていきたい」と意気込みを語った。
 いっこく堂は、健太くんとの掛け合いで笑わせながら、「ミュージカルをやりたいなと思っていたが、踏み出せないでいた。掛け合いを歌に切り替えるのが難しいと感じている。僕が人形から離れるシーンもあるので見ものかもしれない。観客には、本当に二人いるのではないかと錯覚するような舞台に創り上げていきたい」。愛華は「国宝級のいっこく堂さんの技に、ただただ驚いている。健太くんに恋してしまいそう。15年ぶりの男装にも挑戦したい」。内海は「内容が三角関係と聞いて、僕がその中に入るのかなと思ったら健太くんだった! 僕はローラースケートで登場しようかな」。宮川は「台本を読んで、こういう人形の使い方があるのだと驚いた。30年近くミュージカルをやってきて、人形相手にセリフを言ったことがないが、楽しんで演じたい」。皆、ワクワク状態だ。
 かつて、劇団民藝の俳優であったいっこく堂が、健太くんとどのような演技を見せるかが楽しみだ。
【日時】6月18日(木)14時、19日(金)/20日(土)13時・18時半、21日(日)14時【料金】7500円(フレンズ割引あり)【チケット】TEL5244・1011。
【場所】シアター1010 足立区千住3丁目92