足立朝日

「江北村の歴史を伝える会」編集 足立の桜の貴重な資料 「江北の五色桜 舩津資料から みる日米友好100周年」が完成

掲載:2015年6月5日号
 「江北村の歴史を伝える会」(浅香孝子会長)による冊子、「江北の五色桜 舩津資料からみる日米友好100周年」が完成した。
 同会は2006年の発足以来、かつて桜の名所として全国に知られていた江北の歴史を後世に伝えたいと活動を続けてきた。江北の桜は日米友好の証として寄贈され、今やワシントンの桜並木として有名だ。その100周年を記念して、足立まちづくり公益信託トラストの助成を受けて制作したもので、08年の「江北の五色桜―荒川堤の桜ガイドブック―」に続く2冊目。
 会と親交があり良きアドバイザーだった江北の桜研究家・舩津金松氏が09年に他界し、門外不出の「江北櫻譜」をはじめとする資料の管理を託されたことも大きい。
 会員7人が編集・執筆、写真撮影を1人が担当、他の会員たちがバックアップした。コツコツ資料を集め、1年半にわたって毎週日曜日に集まって夜遅くまで作業を続けた集大成だ。240頁の中には、ワシントンDCにある国立議会図書館所蔵の「江北桜譜」11種の図譜、浅香会長らが足立区の代表として米国のさくらまつりに参加した様子なども収められている。
 会では「学校や図書館などでぜひ活用して欲しい」と600冊を区に寄贈。5月7日(木)に浅香会長ら会員16人が区役所を訪れ、近藤区長に目録を手渡した。
 「次を継いでくれる人に五色桜のことを知ってもらって、まちづくりにも広がってくれれば。もっと足立区を好きになってもらって、江北の誇りだということを自覚してもらえたらありがたい」と浅香会長。
 桜のオーナーを募って荒川沿いに植樹する区の五色桜の事業も、今年度で完了となる。少しずつだが着実に、足立区の桜の新たな歴史が根づきつつある。

写真上/区長と冊子を寄贈した会員のみなさん=区役所で