足立朝日

Vol.154南太平洋

掲載:2015年6月5日号
歌とダンスが紡ぐ2つの愛の物語

 一般社団法人映画演劇文化協会は、1947年に創立以来、映画・映像・演劇の普及・発展のために非営利の文化事業を継続。2012年からは、ミュージカルの楽しさを全国に普及させるため、「ミュージカル・ツアー」をスタート。一流スタッフ・キャストによる上質な作品を、低料金で多くの観客に提供している。その第一弾の「王様と私」は、2013年にシアター1010でも上演され、3年間で全国9万4千人の観客からの拍手喝采を浴び、大成功を収めた。
 第2弾は、シアター1010を皮切りに全国展開される「南太平洋」。ブロードウェイのヒット・メーカーであるリチャード・ロジャース(作曲)オスカー・ハマースタインⅡ世(作詞/脚本)による壮大な作品を、藤原紀香、別所哲也、太川陽介ら豪華キャストが舞台を飾る。1949年にブロードウェイで初演を迎えて以来、トニー賞9部門(1950)・ピュリッツアー演劇賞(同)を受賞した同作品が、演出・振付を担う上島雪夫の手でどのように甦るか期待は大きい。
 物語の舞台は、第二次世界大戦中のある島。従軍看護師のネリー(藤原)と島の農園主エミール(別所)、ケーブル中尉(渡辺大輔/藤田玲・Wキャスト)と島の娘リアット(中根百合香/田中恵・Wキャスト)の2つの恋を軸に、物語は進行。隊員のルーサー(太川)と島の女ブラディ(ちあきしん)が、陽気に舞台を盛り上げる。
 見どころは、何と言っても数々の歌とダンス! 「魅惑の宵」では、エミールが究極のラブソングを歌い上げる。「あの人を洗い流そう」では、水着姿のネリーがシャワールームから飛び出し、シャンプーの泡を飛ばしながらコミカルに歌う。「ワンダフル・ガイ」では、恋の昂揚感をネリーが同僚の看護師たちと元気いっぱいに歌い踊る。
 冒険心と正義感に満ち溢れて海軍に入隊したネリーが、恋する娘から真実の愛を知る女性に育っていく姿が感動的だ。
【日時】7月9日(木)10日(金)13時、11日(土)12時・17時、12日(日)13時【料金】4000円、フレンズ割引あり
【チケット】TEL5244・1011。
【場所】シアター1010 足立区千住3丁目92