足立朝日

第97回 全国高等学校 野球選手権大会 東東京大会

掲載:2015年7月5日号
 さあ、夢の甲子園目指して「暑い夏」の始まりだ!! 朝日新聞社と東京都高校野球連盟が主催する第97回全国高校野球選手権東東京大会が、7月4日(土)から始まった。足立区内からは今年も8校が参加。初戦校、日程、球場も決まった。出場各校の横顔を紹介する(掲載は、昨年の大会の成績順)。

◆秋春の悔しさをバネにベスト8目指す
都立足立新田高校/新田2‐10‐16、TEL3914・4211【部員】84人(3年23人、2年27人、1年34人)、マネージャー9人【監督】小野将幸(33)【キャプテン】瀧口優大(3年・外野手)

 バント練習でも試合さながらの気合と声が飛び、円陣を組んでは反省を交えて内容を確認する。
 部員数は区内最多。まとめるだけでも大変だが、主将の滝口くんは積極的に声を出し、4人の副キャプテン、部長の吉田朋樹くんとともにチーム作りを大事にしてきた。
 抜きん出た選手はいないぶん、全員一丸となって勝利を目指す。「秋春は1回戦で負けてしまったので、悔しさをバネに泥臭い試合をする」と決意が漲る。5月には厳しい練習メニューを、全員で声を出して乗り越えることでチーム力が高まった。
 同校出身の秋吉亮投手が一昨年にヤクルトに入団し、活躍しているのも「刺激になります」。「とにかく、自分たちの野球をしっかりやりたい。ベスト8が目標」と闘志を燃やす。
◆甲子園目指し、接戦も粘り強く
足立学園/千住旭町40‐24、TEL3888・5331【部員】45人(3年8人、2年23人、1年15人)【監督】鈴木龍(37)【キャプテン】小川顕(3年・捕手)

 グラウンドに行くと、部員たちからお辞儀と元気な挨拶が飛んでくる。礼儀正しさも伝統の一つだ。
 今年は3年が少ないため下級生の出番が多い「若いチーム」(鈴木監督)となった。4番打者で主将の小川くんは、守備・攻撃ともにチームの要。エースの三浦蓮くんは小柄だがコントロールが良く、打たせてリズムよく打ち取るタイプ。2人とも下級生時代から積んだ試合経験で牽引する。
 長打による得点というより、接戦で粘り強く勝っていくのが今年のチーム。そのための精神力を養うべく、「日常・学校生活でも、自分に厳しくしっかりした気持ちで挑めるようにしている」と小川くん。学校生活を第一に時間厳守や礼儀、コミュニケーションを大事にしている。「圧倒的な強さはないので、毎回接戦を勝ち抜いて、甲子園に出場します!」
◆攻撃的な野球で勝利を!
都立足立西高校/江北5-7-1、TEL3898・7020【部員】23人(3年7人、2年9人、1年8人)、マネージャー1人【監督】齋藤司(52)【キャプテン】飯塚亮(3年、一塁手)
 昨年は2戦目で文京に0対6と敗れ、壁を打ち破ることができなかった。今年から同校OBの齋藤監督が就任。昨年までと違い、選手自身が考え、話し合って成長して来た。今年は、1つ勝つと優勝候補の帝京と当たる。しかし、先を考えず「まずは目の前の一戦」と油断もない。
 「自分たちを信じ、攻める野球をしたい」と飯野主将。高野弘太郎くん(3年、二塁手)と手塚佑弥くん(3年、遊撃手)の鉄壁の二遊間を中心とした攻撃につなげる積極的な守備に注目。
◆粘り強いプレーでまずは初戦突破!
都立淵江高校/東保木間2-10-1、TEL885・6971【部員】18人(3年5人、2年4人、1年9人)、マネージャー3人【監督】茶川剛史(31)【キャプテン】土井梢平(3年、遊撃手)

 昨年は初戦で早稲田を相手に5対8で敗れた淵江高校。今年の4月から城東高校で外野手として甲子園出場経験のある茶川剛史監督が新しく野球部に就任。昨年までの攻撃的なチームをベースに、今年は数少ないチャンスを生かし、奪った点をしっかりと守りきって初戦突破を目指す。
 「5人の3年生が後輩を引っ張り、いつも通りの実力を出せれば勝てる」と茶川監督。チームのキーマンは守備の要のピッチャー大面拓郎くん(3年)。右投、オーバースローのコントロール派の投手だ。
◆守備、攻撃に全力疾走!
都立青井高校/青井1‐7‐35、TEL3848・2781【部員】15人(3年4人、2年6人、1年5人)、マネージャー2人【監督】新妻茂樹(26)【キャプテン】江川和樹(3年、外野手)

 昨年1回戦で、六郷工科に0対7で負けた。「今年は去年より期待できそうです。守備、攻撃など細かいところを詰めて来たので……」と今年4年目の新妻監督。ただし「ピッチャーが大崩れしなければ」の条件が付く。投手が育たないまま大会に突入したのが不安だ。エースナンバーを付ける中田健くん(3年)に期待。バッティングは、4番の平田正人くん(2年)に「ぜひ打って、皆を奮い立たせてほしい」。
◆目指せ3回戦! 行くぞ神宮!
都立足立工業高校/西新井4-30-1、TEL3899・1196【部員】17人(3年1人、2年4人、1年12人)【監督】松橋剛(43)【キャプテン】石井和樹(3年、外野手)

 「1、2回戦を突破して、神宮球場で試合がしたい」と語るのは、チーム唯一の3年生で主将の石井和樹くん。1年生が多いチームをプレーで引っ張る。
 今年は全国でも常連の区内中学生が所属する軟式野球チーム「ブラックキラーズ」で活躍した野口優人くん(1年、投手)と吉田一輝くん(1年、捕手)が入部。経験豊富な2、3年生を中心に、通称ブラキラコンビのバッテリーが旋風を巻き起こせるか期待。若いチームだけに、波に乗って行けるところまで突っ走る!
◆チーム昴で個々の能力を最大限に生かす
荒川商業高校/小台2‐1‐31、TEL3912・9251【部員】15人(3年5人、2年6人、1年4人)、マネージャー3人【監督】石川和也(53)【キャプテン】五十嵐昴(3年・遊撃手)

 春季都大会一次予選の決勝では、世田谷学園に敗れたものの7回で追いつくなど健闘。冬に走る練習を増やして精神力を鍛えてきた成果だ。
 主将の五十嵐くんが先頭を走る背中で引っ張ってきた「チーム昴」はまとまりの良さに加え、個々の技術力が高く、どのポジションでも守れるのが強み。
 「目の前の試合に集中して頑張りたい。2つ勝って二松学舎と対戦するのが目標」と五十嵐くん。「知られていないと思いますが、足立区の子として応援してもらえたらうれしい」。雪かきなど積極的に地域に貢献している部員たちは、「土手を走っていると住民から声をかけてもらったりしている」(石川監督)と、地元のあたたかい声援も心強い。
◆3校合同チームでの挑戦!
都立足立東高校/大谷田2‐3‐5、TEL3620・5991【部員】3人(3年2人、2年1人)【監督】内田稔(31)【キャプテン】渡辺光璃(3年、捕手&投手)

 昨夏7人だった部員が3年生3人の卒業で、4月に4人となり、5月に1人やめて3人となった。昨年は部員が少ない5校の合同チームだったが、今年も他区校との合同チームとなった。部員3人の都立桐ケ丘高(北区)と、同4人の葛飾区の都立農産高と組んでの3校合同チームだ。「試合ができる喜びを噛みしめて戦います」とキャプテンの渡辺くん(写真中央)。杉村雄太郎くん(3年、同右)は「合同練習でもずっと投げて来たので、初戦も頑張りたい」。