足立朝日

「佐野いこいの森」の木陰へ涼みに行こう! 「佐野・六木周辺」をお散歩

掲載:2015年7月5日号
 佐野1丁目に森があるのをご存じだろうか。「佐野いこいの森」は、江戸時代から残る屋敷林で、大木に囲まれた森の中は涼しく、まさに自然のクーラー。暑くなってきたこの時期にぴったりの場所だ。今回は佐野いこいの森がある「佐野・六木周辺」を散歩してみよう。

A佐野いこいの森
 佐野いこいの森(佐野1-31)は、敷地面積7481㎡で、「かまえ堀」に囲まれた広い屋敷林だ。ここは、かつて徳川家康に仕え代々関東郡代を務めた伊奈氏が行った文禄検地に従事し、文禄2年(1593)この地に新田を開いた「佐野新蔵胤信」の子孫代々が名主屋敷として居住した屋敷林の一部である。スダジイやケヤキ、マテバシイなど約30種500本の樹木が植えられていて、昭和49年(1974)に区の保存樹林第1号に指定。昭和62年(1987)に区民に自然に親しんでもらおうと開園された。
 森の中は、暑い太陽の日差しを遮り木陰を作る。葉っぱからは水分が出て周りの空気を冷やし、冷たい空気は下へさがり、温かい空気は上へとあがる。この木の周りで起こる空気の循環によって、森の中は暑い夏でも涼しい風を感じる。
 これからの時期では、都会ではあまり見ることのできないトンボ「オオシオカラトンボ」などが見られる。このトンボは暗い環境を好むため、樹木に囲まれた「いこいの森」だからこそ見られる昆虫だ。
 この時期は蚊が多いので、出かける際は長袖、長ズボンに虫よけスプレーを身につけてから森へ出かけよう。解説員が常駐しているので、分からないことは質問できる。
【開園時間】日曜・水曜の午前10時~午後4時(2月~10月は午前9時~午後5時)
【問合せ】TEL3880・5897みどりと公園推進室公園管理課施設活用係
Bたこ焼きの配達いたします
 まるで森の中にある山小屋のような外観のお店「ベアーの家」(佐野1‐9‐3、TEL3629・8537)。たこ焼きを配達してくれる珍しいお店として、地元の人たちに人気のお店だ。
 同店を営むのは、細谷義隆さん(67)とミヨ子さん夫妻。メニューは、たこ焼き(300円)、焼そば(同)、おにぎり(100円~)、ぎょうざ(200円)などバラエティ豊か。自慢のたこ焼きはキャベツのシャキシャキした歯ごたえと甘味がたまらない。
 店内での飲食はもちろんテイクアウトも可能だが、同店最大の特徴が配達だ。ピザや寿司は分かるけど、たこ焼きの配達があるなんて聞いたことがない、という人が多いのでは?
 現在の緑色の配達カーは2代目で、初代のオレンジ色の配達カーはモーターショーにも出展されたことがあった。かわいい小さな配達カーなので、近くに住んでいる方は、ぜひ頼んでみては?
 また、日替わりケーキもオススメ。たこ焼きを食べた後のデザートにいかが。
【営業時間】午前11時半~午後9時(配達は8時半まで)、木曜定休。
C老人ホームの1階に併設されたオシャレなカフェ
 都内を中心に特別養護老人ホームやショートステイなどを運営する社会福祉法人「奉優会(香取眞惠子理事長)」が、昨年開設した「奉優の家」(TEL5613・1525)。その1階に一般の人も利用できるオシャレなカフェ「For You Cafe」(佐野1-29-3、TEL080・3240・6586)がある。
 コミュニティカフェとして、幅広い世代の人たちが訪れ、コンサートや料理教室など色々なイベントも行っている。ランチは「日替りランチ」(750円~)や「日替りパスタ」(同)のほか、イタリアン出身のシェフが作るピッツァが人気。特にランチ限定の「ワンハンドピッツァダブル」(880円)は、手のひらサイズのピッツァを数種類の中から2つ選んで食べられるとあって大人気。
 特別養護老人ホーム内にも人気の小さなカフェコーナーがあり、入居者やその家族は1階のカフェと行ったり来たりして楽しんでいる。HP
★「足立朝日」を見たで、7月末までプチデザートサービス
【営業時間】午前11時~午後6時(金曜~日曜は午後9時まで)、月火定休
D医療器具屋さんが作った耳かき
 医療器具を作り続けて43年の足立ブランド認定企業「三祐医科工業㈱」(六木1-12-9、TEL3605・7842)。社内に併設された「耳かき屋さんゆう亭」では、多くのメディアで取り上げられて話題の、同社が開発したオリジナルの耳かきを購入することができる。
 同社の開発した耳かきは、平成22年度TASKものづくり大賞の単独開発部門で大賞を受賞した逸品で、現在は東急ハンズをはじめ、生協や大谷田明神の湯などで販売されている。小林保彦社長(47)が耳かきの製造をスタートしたのが8年前。展示会で医療器具を見たお客さんから「これは耳かきですか」と質問されたのがきっかけだった。
 耳かきの先端は、麻酔器などの部品で使う樹脂を使用。持ち手の金属部分は滑りにくいように網目に工夫されている。現在は6種類販売されていて、先端のサイズが違ったり、竹のようなしなりのするものだったり、コンパクトな携帯ストラップだったり様々。
 小林社長は「耳かきの大ヒットは大変うれしいですが、今後は本業の医療器具の製造で、病院と直接仕事ができるように益々がんばっていきたい」と熱く語る。HP

写真A/ジブリ作品に出てきそうな森の中の小道
B/看板メニューのたこ焼き
C上/人気のワンハンドピッツァダブル
C下/奉優の家の小さなカフェコーナー
D/「実際にお試ししてから購入できます」と小林社長