足立朝日

1匹のミニチュアダックスを助けた 六町で感動ストーリー

掲載:2015年7月5日号
 六町を舞台に商店街や地元住民らが協力して1匹のミニチュアダックスフンドを助けた心温まる物語りがあった。
 5月19日(火)、六町2丁目でダイオーズOCSチェーンOCS城北を営む新里原良社長(57)が車で会社へ帰る途中に、一ツ家第一公園で飼い主の女性が黒毛のミニチュアダックスの後ろ足を吊り上げた状態で散歩しているのを目にした。一瞬のことで、その時はワンちゃんと飼い主の幸せを祈ることしかできなかった新里社長。帰宅後、いつものように出迎えてくれたのは同じ犬種、同じ色の愛犬ステラちゃん(メス7才)。そして、ベランダをふと覗くと使わなくなった犬用のカートがあり「そうだ、これを使いあのワンちゃんに車椅子を作ってあげよう」。すぐに作業に取りかかった。
 なんとか車椅子を作ったものの、ワンちゃんに会えない日が何日も続いた。加盟している六町商店会レスクのメンバーに相談したところ、「商店街のホームページで呼び掛けよう」ということに。さらに公園の主と言われる飯島さん(75)にも相談。しかし、その後も有力な情報はなく半分あきらめかけていたが、6月3日(水)、飯島さんから「見つかった」との報告があり、さっそく公園へ。そこには、約2週間前に見かけた飼い主とワンちゃんが。ロイくん(オス12才)を連れた飼い主の山田智子さんに事情を説明すると、山田さんは目に涙を浮かべながら「見ず知らずの方々が、私とこの子のことを思いずっと探していたなんて。そしてこんなありがたい物まで作っていただき本当にありがとうございます」と喜んだ。
 ロイくんはヘルニアのため後ろ足が不自由。作った車椅子はサイズや機能的な改良が必要だったため、今も調整を重ねている。
 「ロイくんの想いが私に出会わせたと思います。そして、たくさんの人たちの温かい協力で、あの子が一日でも早く元気に散歩してくれたら嬉しい」と新里社長。

写真/山田さんと車椅子をつけたロイくんを励ます新里社長(左)