足立朝日

子どものSOSソングライター 悠々ホルンさんがトーク&ライブ

掲載:2015年8月5日号
 保塚地域学習センターで6月21日(日)、がきんちょファミリー(大山光子代表)主催のトーク&ライブ『声にならないSOS~少女が残した検索履歴~』が開かれた。
 登場したのは、悠々ホルンさん(28)。千葉県在住のミュージシャンで、「子どものSOSシンガーソングライター」を自ら名乗り、自殺予防に取り組む活動を続けている。
 いじめなどで追い詰められた子どもたちは、SOSの代わりに「死にたい」や「リストカット」などの言葉を検索する。そこでホルンさんの歌や動画に出会い、救われている人が多いという。これまでに相談を受けたのは、10代女子を中心に300人を超える。
 ホルンさんが作る歌は、小中学生の時に自殺を考えた自身の経験や、相談者の気持ちを代弁したもの、相談者へのメッセージなど。心の底からの言葉は、うわべの励ましやきれいごとにはない「力」がある。
 ホルンさんによると、今すぐに助けが必要な子がたくさんいるが、「助けを求めようとしたら、大きなリスクが伴う」。教員に相談していじめがエスカレートする、親に話して悲しませることで、唯一安らげる場(家)を失うなどのリスクだ。抱え込んだ苦しみは自分の中で膨れ上がり、その逃げ道としてリストカットがある。「それを否定されると追い詰められる」
 子どもの気持ちを歌で伝えることによって、親子関係の修復や、虐待を受けた過去のある元子ども(親)による虐待の連鎖を止めたいと、ホルンさんは考えている。「助けてくれる大人がいることを知らない。理解者の情報交換をして、常に発信していくことが大事」と話す。今後も、悩み苦しむ子や親のために、SOSを受け止め、伝える活動を広げていく。
【悠々ホルンCD】
『おかえり~みんな愛されたい~』(7月1日発売)=「子どもが親に訴えたい10のこと」「生きてていいんだよ」など11曲。
【悠々ホルンさん連絡先】Eメール