足立朝日

伝統野菜「千住ねぎ」を復活させよう 区内3小学校で栽培始まる

掲載:2015年9月5日号
 「千住ねぎ」を子どもたちの手で復活させる取り組みが、区内小学校で始まった。
 千住ねぎは、かつて足立市場(千住橋戸町)で盛んに出荷されていた江戸東京伝統野菜。白い部分が多く加熱すると甘みが出るのが特徴で、区内でも多く生産されていた。
 栽培に挑戦するのは平野小、栗原北小、千寿双葉小の3校で、8月31日(月)、各校で特別授業と種まきが行われた。種は固定種で、採取して何世代にもわたって栽培することが可能なため、上級生が下級生にバトンをつないでいくことになる。
 栗原北小(三宅文夫校長)で取り組むのは、4年生の80人(2クラス)。特別授業の最初に、区農業委員会の荒堀安行会長が、「千住ねぎは特産だったのに、いつの間にかなくなったので復活させたい。引き継いで、命の大切さ、野菜を学んで欲しい。力を合わせて素晴らしい野菜を作って、来年たくさん種を取れるように」と期待をこめて、子どもたちに種を手渡した。
 続いて、江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂氏が、足立区の農業の歴史や千住ねぎについて詳しく説明。関西(葉ねぎ)と関東(白ねぎ)のねぎの違いや、白い部分を育てるために「土寄せ」(ねぎの周囲に土を盛り上げて日光を遮る)をするなどの話を、全員が熱心に聞いた。
 その後、体育館で班ごとに分かれて、プランターに種をまいた子どもたち。「ねぎの種を見るのは初めて」「こんなにたくさんまいたら、ギュウギュウになっちゃう」と不思議がる声も。「焼いたのが好き」「ラーメンに大盛りに乗せる」「納豆に入れるとおいしい」などねぎ好きの子が多く、収穫が待ち遠しそうな笑顔があった。
 今後は農業委員会と畑ボランティアの協力を得ながら、放課後に水やりなどの世話をしていく。授業としては、10月頃に学校菜園に定植し、2月頃に収穫、5月以降に種の採取と次の4年生に種の伝達をする予定。

写真上/プランターに種をまく子どもたち
下/千住ねぎの種