足立朝日

不登校の子どもたちに生抜く力と未来を 「東京未来大学みらいフリースクール」誕生

掲載:2015年11月5日号
 発達障害や不登校に悩む子どもと親が増えている。足立区でも平成28年度から区立小学校に「特別支援教室」を順次導入するなど、取り組みが始まっている。
 その行政に先駆けて、子どもたちを受け入れる画期的な民間の学習施設が足立区にはある。発達障害に特化したイノベーションスクール「東京未来大学こどもみらい園」(学校法人三幸学園)=綾瀬2‐30‐6=だ。昨年7月に開園し、現在は2歳~6年までの80人もの子どもたちが通っている。
 その施設内に10月1日、新たに不登校の子どもたちの受け皿となる「みらいフリースクール」(斉藤幸枝スクール長)が誕生、既に2人の生徒が学んでいる。学校法人のフリースクールは全国的にも珍しく、特徴的なのは母体である東京未来大学の教授による全面的なバックアップ。「大学の教授がフリースクールに加わるのは、前代未聞だと思う」と平林景副スクール長。
 フリースクールというとネガティブなイメージを持たれがちだが、ここには当てはまらない。「主体性・社会性を培い、自主学習を通して生き抜く力を育む」を教育方針に、自分らしさを取り戻し将来へ向けて歩んで行く手助けをする。
 週4日と週1日の2コースがあり、最初は1DAYを足がかりに、徐々に馴染んでいくことが可能。授業も堅苦しいものばかりでなく、料理やマジックなど、自分が興味を持てるものを探すチャンスもある。昼前のフリータイムは「自分が何をしたいか、将来どうしたいかを考える時間」として、建物内のカフェでくつろぐなど自由に使えるという。
 建物内に今年新設された通信制の飛鳥未来高校(綾瀬キャンパス)に通って、高校卒業の資格を得ることも出来るなど、本人の希望次第で未来への選択肢が開かれている。
 つまずいた場所で身動きが取れなくなってしまった子どもたちが自分の可能性を見つけていけるよう、行政、民間など様々な方面から、少しでも多くの手が差し伸べられていくことを期待したい。

写真上/のびのびと学べるキャンパス
下/ハロウィンのランタン作りに挑戦する生徒