足立朝日

足立区小学生 新聞スクラップコンテスト 区内小学校から199点の応募

掲載:2015年11月5日号
 「新聞をスクラップするという活動では、様々な能力が身に付きます」――。審査委員長の加藤敦彦・千寿常東小学校校長は、全体の講評の冒頭で新聞スクラップ活動の意義を語った。今年で5回目を迎えた「足立区小学生 新聞スクラップコンテスト」は、10月3日(土)表彰式が行われ幕を閉じた。夏休みを中心に行われたこのコンテスト。今年はスポーツ、動物、宇宙、社会など幅広い分野を取り上げたものや取り上げ方の工夫が目立ち、それぞれの記事を読み込み、小学生らしいコメントを添えた作品が多く、審査委員の校長、来賓も驚いていた。
 区教育委員会、朝日新聞社、足立朝日、朝日小学生新聞などが後援、足立成和信用金庫、アダチン、J:COM足立協賛で行われたスクラップコンテストの表彰式は、千住旭町のあさひホール(ASA旭町内)で行われた。
 式には、10人の入選者とその父母らが参列、加藤審査委員長、審査委員の篠達司足立小校長、足立区朝日新聞販売店会の各店主、竹内吉晴足立朝日編集長、来賓として、本永裕康足立成和信用金庫常勤理事、鳥井満里子J:COM足立地域プロデューサーらが出席。
 式では、まず主催者を代表して、足立区朝日新聞販売店会・ASA竹の塚東の箕輪周一郎所長が「このコンテストは、新聞を学校の授業に取り入れてくれるという動きの中で始まり、皆さんの努力、熱意で5回目を迎えられました。ありがとうございます」と挨拶。
 その後、10人の入賞者に賞状と副賞の図書カードが贈られたが、式の途中で、足立区の人気のゆるキャラの一つアダチンが入場し愛嬌を振りまくと、会場から笑いと拍手が起きた。
 加藤審査委員長が全体の講評を行った後、来賓の本永足立成和信用金庫常勤理事が立ち「テレビやラジオは自然と目や耳に入ってくるが、新聞は自分で読もうと努力しないと入ってこない。これからも新聞を読んでください」と子どもたちを激励した。
◆内容と講評
 太田真絋さんは「生まれた年の新聞も読んでみた」と題して今年と2003年の新聞を、真琴さんは「十年ひと昔」と題して今年と2005年の新聞を調べた。いずれも大きなニュースや興味を持った記事を取り上げ、感想を盛り込んで大人顔負けのスクラップに仕上げた。「甲乙付けがたい」との審査員全員の判断で、二人が最優秀賞となった。二人は「図書館に通ったりして大変だったけど、達成感がありました」と話した。
 金賞の浅野さんは、気になった記事を毎日切り抜き、意味などがわからない「滑舌」「余地」などの言葉の意味を丹念に調べて内容を要約し、率直な感想を入れたのが評価された。
 銀賞の四方さんは「喜び新聞スクラップ」と題して「喜び」の記事ばかりを集め、「ぎもん」を出し、自分で「答え」て「感想」を書くという工夫が光っていた。
 銅賞の村田くんは、カブト虫の記事に特に興味を持ったようで、自分で飼い、その飼育写真を入れるなどした頑張りが、勝木さんは、「感想」「意味調べ」「書き写し」など「小学生新聞活用ノート」をきちっと使い切った努力が、谷尾さんは、記事について「私」が出す疑問を「先生」が答え、「おさらいクイズ」や「編集後記」を入れるなどして楽しく作った工夫がそれぞれ評価された。
 「足立朝日賞」の澤村さんは、「スキマ植物」の記事に触発されて、得意な写真で自宅そばのスキマ植物を追跡した豆記者ぶりが評価され、「アダチン賞」の江渡さんは、7歳の弟の誕生日8月14日に弟の写真とスポンジで作ったケーキを貼り付けるという奇抜なアイディアで審査委員の度肝を抜き、「J:COM賞」の高崎さんは、いつもテレビで見ているニュースと新聞を比べた点などが評価された。
《加藤敦彦審査委員長(千寿常東小校長)の話》
 今回の作品の特徴は①様々なアイディアが駆使されたこと②丁寧に最後まできちんと整理されていた――の2点。特に最優秀作品は、今の新聞と過去の新聞を比較するというアイデアが光っていました。
 この新聞をスクラップするという活動では、材料を集める力、記事の内容を理解する力、自分の意見や感想を持つ力、分かりやすく、レイアウトを考え、表現する力など様々な能力が身に付きます。今後も新聞のスクラップを楽しんでほしいと思います。
《篠達司審査委員(足立小校長)の話》
 昨年以上に新たな視点でスクラップしている作品が多かったように思います。自己の興味・関心を大切にし、さらに知りたいことを探っていこうとする姿勢と、自己の感性を大切にし、色使いやレイアウトを楽しみながらまとめた意欲に感心しました。
《土肥和久審査委員(皿沼小校長)の話》
 初めての審査でしたが、テーマを絞り、相手を意識した見たいと思えるレイアウトや丁寧な字など、様々な工夫をしている作品に惹かれました。スクラップ作りは思考力を養うには最適で、このコンテストは、すばらしい企画だと思います。
入賞者(敬称略)
【最優秀賞】太田真絋(足立小6年)、太田真琴(同)【金賞】浅野友彩(栗原小4年)【銀賞】四方亜美(千寿本町小4年)【銅賞】村田宗介(足立小1年)、勝木瞳(千寿常東小6年)、谷尾花梨(大谷田小6年)【足立朝日賞】澤村祐佳(扇小3年)【アダチン賞】江渡くるみ(鹿浜西小3年)【J:COM足立賞】高崎百葉(千寿本町小3年)
◆入賞作品&喜びのコメント
【最優秀賞】太田真絋さん

 テロとか内容が難しかったけど、よく読んでいくと少し理解できた。2年分を比較する作業は大変でしたが、とても楽しく出来ました。
【最優秀賞】太田真琴さん
 10年前の新聞の内容の理解が難しく、その要約が一番大変だった。このスクラップをきっかけにこれからは少しでも新聞を読もうと思いました。
【金賞】浅野友彩さん
 わからない言葉を調べたり、内容をまとめるのが大変だったけど、最後はちゃんと出来て満足しています。
【銀賞】四方亜美さん
 日本の色々な所や世界の大会などでは“喜び”が毎日起こっていてものすごいことだなと思いました。
【足立朝日賞】澤村祐佳さん
 写真を撮るのが大好きで、写真はおばあちゃんからプレゼントされたカメラで撮りました。

写真上から①/審査委員、アダチンらとともに記念写真に納まった入賞者と父母の皆さん=千住旭町のあさひホールで
②/加藤審査委員長から表彰を受ける最優秀賞の太田真絋さん(左)、真琴さん姉妹
③/あいさつする本永足立成和信用金庫常勤理事
④/太田真絋さんの作品
⑤/太田真琴さんの作品
⑥/展示された他の人の作品を見る参加者の皆さん