足立朝日

大谷田氷川神社の「敷黄葉」

掲載:2015年11月5日号
撮影/鈴木繁雄さん(71)=六町1丁目在住、建築業

 この写真は、俳句の季語になっている「敷黄葉」である。いかにも歴史を感じさせる古い神社に訪れた秋――。俳句をたしなまなくても一句詠みたくなる風景だ。
 場所は中川堤防沿いの中川5-7-10にある大谷田氷川神社。区の保存樹林になっているイチョウが3本、ケヤキが1本あり、大木茂る神秘的な神社である。創建は安土桃山時代の1592年。同社は「中川」という住所が出来る前は大谷田村であったことから「大谷田氷川」と言うのが正確だ。
 撮影した鈴木さんは、以前葛飾区水元に住んでいたこともあり、中川に架かる飯塚橋を渡って足立区に入るが、「この神社が土手から良く見えるんですよ」。大イチョウが色づくと秋を感じ、黄色くなると秋も深くなって、どんどん落葉していき冬に突入する。「季節の移り変わりがはっきり分かります」と鈴木さん。
 この神社の裏手が中川下水処理場にフタをして生まれた広大な都立中川公園だ。「駐車場もあるし、一服するにはいいですよ」。
【交通】「綾瀬駅」から、バス「葛飾車庫」行きで「大谷田」下車、徒歩8分。
(選者・学芸員 小林基治=日本写真会同人)