足立朝日

Vol.159「ドラマ・リーディング教室2016」成井豊

掲載:2015年11月5日号
「声だけの演劇」を共に

 今年、結成30周年を迎えた演劇集団キャラメルボックス――。年間10万人の観客動員数を誇る老若男女に愛される劇団である。かつて在籍した上川隆也が、テレビや映画などで大活躍中の今もなお深い思いを寄せる。同劇団の魅力は、躍動感溢れる俳優陣は勿論のこと、代表であり脚本・演出担当の成井豊の存在。
 早稲田大学時代に演劇サークル「てあとろ50’」を結成。卒業後は、高校国語教師として若者たちと向き合ったが、「てあとろ50’」で共に活動した加藤昌史らと同劇団を設立し、現在もパワフルな演劇人生を突き進んでいる。その作風の基本は、ファンタジー。心の中に染み入る豊かな言葉と、役を生きる俳優たちの思いが交差する味わい深い作品を、東京を中心に日本各地で上演。
 その成井が指導するワークショップ「ドラマ・リーディング教室」が、今年もシアター1010稽古場で行われる。成井厳選の本が、成井メソッドによる指導で「生きた言葉」として参加者の心身から発せられる瞬間は感動的だ。学びの成果は、成井の演出により発表会として一般公開される。
 成井の読書量は驚異的で、日々のブログは読後感想で埋め尽くされている。「最近一番心に残った作品は、梶尾真治さんの『怨讐星域』(ハヤカワ文庫)です。今年度、既に250冊読んでいますが、今のところ、ベストワンです。今回のワークショップでの作品は未定ですが、初年度以来久しぶりに宮沢賢治にしようかと思っています」と成井。「『ドラマ・リーディング』は声だけの演劇です。『自分自身で読む』『主観的に読む』『自由に読む』が基本です。演者の奔放な表現が魅力だと思います。セリフを覚える必要がないので、どなたでも参加可能。私と一緒にぜひ『声だけの演劇』を楽しみましょう」とその魅力について熱く語る。
【対象】区内在住・在勤・在学の高校生以上で、発表会を含む全日程に参加可能な方
【応募人数】15名程度【参加料】3千円
【日程】練習=1月9日・16日、2月6日・20日・27日、3月5日・12日、全日土曜日10時~12時、リハーサル=3月19日(土)18時~20時、発表会=3月20日(日)11時~16時
【申込】専用の申込書をシアター1010窓口までFAX・郵送・持参【締切】11月14日(土)必着
【問合せ・チケット】TEL5244・1011。
【場所】シアター1010 足立区千住3丁目92