足立朝日

NPO文化団体と区内企業がコラボ 千住の歴史・文化を 「おみやげ」として発信

掲載:2015年12月5日号
 地域の宝、「千住の歴史と文化」を足立区のものづくりの力と結び付け、千住の特産品、おみやげにしよう――というプロジェクトが動き出した。すでに松尾芭蕉、葛飾北斎関連のグッズが完成、「千住街の駅」(千住3-69)で販売を始めた。
 「千住のおみやげを作ろう」と呼びかけた団体は、NPO法人「千住文化普及会」(櫟原文夫代表)だ。「千文会」は10年前に結成され、この間「千住の街歩き」や「おくのほそ道体験」、千住に関するセミナーなど千住の歴史と文化の発掘に尽力して来た。この中で蓄積してきた資料や情報を何とか足立区の企業のものづくりの技術とつなぎたい、との強い思いで、この9月にあだち異業種交流会の団体の一つ「未来クラブ」(代表=丸山寛治「安心堂」会長)の集まりで提案。すると、参加企業からは即歓迎の声が寄せられた。 
 具体的な「資源」としては、①江戸の俳聖・松尾芭蕉「おくのほそ道」旅立ちの地・千住②葛飾北斎「冨嶽三十六景」の3枚の千住浮世絵③江戸4宿「千住初宿」と日光街道が挙げられた。この「資源」に対し、「足立ブランド」認定企業を中心に手を挙げてもらい、商品化に乗り出した。
 「安心堂」(江北3丁目)は、芭蕉が歩きの達人であることから、それにあやかろうと、歩行を助ける効果のある靴敷き「インソール」を「おくのほそ道」の工程マップの包装でくるんで「芭蕉インソール」(男女各税込3500円)に。アクセサリー作りでは定評のある「ミユキ」(東和5丁目)は、江戸時代に千住大橋の橋げたに使われた木材・高野槙を使ったオシャレなストラップ(税込500円)、刺繍の「グレイスエンブ」(興野2丁目)は芭蕉の俳句刺繍入りの「タオルハンカチ」(同400円)、デザインが好評の「J&Cコア」(千住1丁目)は芭蕉柄入り「反射材キーホルダー」(同650円)と消臭剤「芭蕉の宝」(同200円)……といった按配。さらに辰沼2丁目在住の伝統工芸師「飯岡製作所」の飯岡一夫代表は、特殊カード印刷で有名な「日商印刷」(宮城1丁目)の力を借りて葛飾北斎絵3点入りの檜の額(同9500円)、芭蕉工程図入りの檜の「香酒箱」(同18000円)などを製作した。
【問合せ】TEL3881・3232千住文化普及会

写真上/「おみやげ」を手に左から丸山さん、櫟原さん、飯岡さん、街の駅スタッフの加藤さん
下/「おみやげ」の数々