足立朝日

千住消防署防火のつどい  村井教授が独自の地震予測を講演

掲載:2015年12月5日号
 千住消防署(鈴木孝治署長)による「防火のつどい」が11月12日(木)、東京芸術センター・天空劇場で開かれた。
 第1部は火災予防協力者表彰が行われ、34名81団体に感謝状・表彰状が贈られた。
 第2部では、東京大学名誉教授で㈱地震科学探査機構(JESEA)顧問の村井俊治教授が、「新しい地震予測の取り組みと実績」を講演した。
 村井教授はメルマガ「週間MEGA地震予測」を配信。専門は測量工学、空間情報工学(衛星測位など)で、地震の前に地球が異常な動きを示す前兆があることに着目。測位衛星による国土地理院の電子基準点のデータを解析し、これまで何度も予測を的中させてきた。ただ、前兆から実際に地震が起きるまでは2週間~6ヵ月の幅がある。
 村井教授は従来の地震予測の問題点として、①地震は等間隔の年数で発生しない、②地震発生確率には科学的根拠がない(過去に巨大地震がないところは計算できない)、③断層は結果であって原因ではない(断層のないところでも巨大地震は起きている)、の3点を指摘。
 日本列島は3・11以降、いつ、どこででも、大地震や火山噴火が起きる可能性があると断言。現在、歪みが貯まっている危険箇所の予測は、伊豆諸島と父島周辺、紀伊半島南端、四国・高知県南端で、注意が必要という。また、震源が深いほど、最大震度は震源から離れた場所になると説明した。
 来場者から予測の活用を問われた村井教授は、「自分で命を守る。一瞬の判断とリハーサルが大事。女性、子どもは危機意識が高い」と説いた。
 「週間MEGA地震予測」は毎週水曜に配信。個人会費は月額216円。入会はHPから。著書「地震は必ず予測できる!」(税込み734円/集英社新書)も発売されている。

写真/千住消防署長から感謝状を受けとる村井教授(右)