足立朝日

4月より 東京電機大学の第9代学長に就任した 安田 浩 さん(71)

掲載:2016年5月5日号
足立区企業の『匠の技』と連携したい

 その経歴を見ると(左下)、IT専門の大変な学者で、日本を代表する画像圧縮技術の第一人者とあって、「硬い人」というイメージだったが、それを覆すインタビューとなった。実は、映画大好き、長谷川一夫、京マチ子に始まり、吉永小百合と加山雄三の大ファンで、お酒もいけるグルメ。「千住のお店は何十軒と回りましたが(笑い)、食べ物がおいしい所が多いですね。特に魚系は結構いける」 
 安田さんは、東大で定年となり、東京電機大学へは2007年(平成19年)、未来科学部情報メディア学科教授としてやって来た。千代田区の神田に校舎があった頃。5年前の北千住へのキャンパスの移転で、遠方の自宅から足立区通いとなった。今度は学長だ。
 安田さんは、抱負として「発想力を豊かにして新しいモノヅクリをする人間が一番付加価値を生みます。そういう人間、学生を育てたい」。続けて「20世紀は、物理的な物を作っていれば良い時代でした。が、21世紀は人間の感性に触れて役に立つ物を作らないといけない時代。ある意味、形ではなくどう動くかという機能も必要になっている。『人間に優しいものづくり』を主導していく人間、学生を育てたい」。
 安田さんは「感性」という言葉をよく使った。学生時代から映画が好きで、「役者になりたくて大学で演劇もやったが、才能がないということが見えてきたから、じゃあサポートに回ろう、映像を何とかしようということで研究者、学者になった」という「土壌」があるからだろう。
 足立区との産学連携の話では「『匠の技』を持つ中小企業がたくさんあります。この技と連携し、大きく外へ発信していくお手伝いをしたい」ときっぱり。
 千住の酒場で会ったら、談論風発間違いなしという雰囲気が漂う新学長だ。