足立朝日

Vol.165新版喜劇「極楽町一丁目―嫁姑千年戦争―」浜木綿子

掲載:2016年5月5日号
嫁姑バトルに想いを馳せて

 御年80歳とは信じられない宝塚歌劇団雪組娘役トップ時代の若々しさを誇る浜木綿子が、シアター1010で2年ぶりの舞台主演を務める。演目は、新版喜劇「極楽町一丁目―嫁姑千年戦争―」(製作=東宝)。2001年に芸術座で初演を迎えた同作品は、世の嫁姑、そして将来姑となる女性たちの支持を受け、再演を重ねてきた。
 原作は、第21回日本漫画大賞を受賞した二階堂正宏氏の「極楽一丁目/嫁姑地獄篇」(朝日新聞社刊)で、嫁と姑の確執を鋭いセンスで描いたブラック・ユーモアの大傑作。
 舞台は芦屋の極楽町一丁目、石橋家。夫を亡くした典子(浜木綿子)は、一人息子の大輔(小野寺丈)と姑の秀子(正司花江)との三人暮らし。仲介役を喪った二人は、嫁姑の熾烈な闘いを繰り返す。町内の安楽寺の僧・浄念(前川清)は、そんな典子に想いを寄せて付きまとう。
 ある日、加熱バトルの末、秀子がこけて救急車のお世話に。担ぎ込まれた医院の南木院長(風間トオル)は、沢山のファンをもつ爽やかなイケメン。典子もまた南木に好意を寄せ、二人の距離は徐々に縮まるが、気が気でない浄念の横槍が入る。
 退院の日に、大輔の友人
・みゆき
(吉村涼)が現れて、甲斐甲斐しく秀子の世話をする。憮然とする典子の前で、みゆきは大輔との結婚を宣言。気を良くした秀子はみゆきの肩を持つ。かくして典子もまた、姑になることに――。しかし、みゆきはすぐに本性を現わして、典子と嫁姑のバトルを始める。
 そんな中、典子は極楽町のイベントに審査員として現れた横田画伯(加藤茶)と見合いをすることに。しかし、秀子にボケの兆候が出始めて、典子は愕然とする。まるで別人のような秀子を見て、典子が選んだ道は――。 
 家族とは? 人生とは? 幸せとは? 浜・前川・加藤らの息の合った競演がもたらす涙と笑いの人情喜劇に、観客も我が身を重ねて想いを馳せること間違いなし。歌舞伎役者としても活躍中の市川中車(香川照之)を息子に、さらに市川団子(香川政明)を孫にもつ浜は、常に前を見て共に進化し続ける。
【日時】6月3日(金)14時、4日(土)11時、15時30分、5日(日)14時
【料金】9000円、フレンズ8100円、足立区民割引(在住・在勤)8500円
【チケット】TEL5244・1011。
【場所】シアター1010 足立区千住3丁目92