足立朝日

郷愁を誘う夜店と盆踊り

掲載:2016年8月5日号
撮影/斉藤成義さん(77)=東和1丁目在住

 「盆踊りはいいですね。老若男女、みんなが輪になって踊るこの雰囲気が大好きです。それと夜店がいいです。子どもたちがみんな集まって来ます。夜店は駄菓子屋さんのイメージだと思いますね」――こう話す斉藤さんが撮った写真は、7月上旬、区内東部地区の東和の町会で行われた盆踊り大会だ。
 そう、斉藤さんが言うような駄菓子屋さんがこの頃めっきり少なくなってしまった。昔は、10円玉を握り締めて通った、通った。梅ジャム、ニッキのお菓子、水あめ、くり抜いて穴を開けるお菓子(?)、粉ジュース……。あの頃は10円玉が5個もあれば、色んな物が買えたものだ。
 盆踊りやお祭りの時に出る夜店が、駄菓子屋さんの代わりになっているのは間違いない。夜店では、何でも売っているし、金魚すくいはあるし……。それで、大人でも童心に帰ってわくわくするのだ。
 夏休み真っ盛り。今年は梅雨明けが遅れ、その分、子どもたちは何か損したような気分になっているかも知れない。でも、大丈夫。夏はこれからが本番だ。盆踊りや夏祭りもあちこちで行われる。踊りのおばあちゃん、お母さんたちも本番、子どもたちの遊びも本番だ。
(選者・学芸員 小林基治=日本写真会同人)