足立朝日

リオパラリンピック 足立学園出身 高橋和樹さん 「ボッチャ」でメダル目指す

掲載:2016年9月5日号
 いよいよ9月7日(水)~18日(日)、リオパラリンピックが開催される。
 足立学園出身の高橋和樹さん(36/埼玉県在住)がメダル獲得を目指す。
 種目は10日(土)~16日(金)に行われる「ボッチャ」。目標球となる白いボール「ジャックボール」を先に投げ、それに向けて赤いボールと青いボール各6個を交互に投げ合って、いかにジャックボールに近づけるかを競う、カーリングにも似た競技。
 ボールは皮製で柔らかく、湿度や床の状態で動きが変わってくるため、どの位置から投げるとボールがどこに行くかを見極めなければならない。重度障害者でもできるスポーツで、ボールを投げることのできない高橋さんは、勾配具(ランプ)を使って競技をする。
「ひたすら転がす。ほんと地味です。でもやると奥が深い。柔道とは真逆で、自分には向かないと思っていた」と高橋さん。
 5歳から始めた柔道で軽量級トップを目指していたが、高校2年の夏に試合で頸椎を損傷し、鎖骨から下の感覚を失った。
 大学卒業後、障害者のための自立生活センターで働く中、東京五輪決定を機に重度障害者でも唯一世界を目指せるボッチャを始めた。初試合でボロ負けした悔しさをバネに、2年で日本選手権優勝、日本人初の世界選手権準優勝し、リオへの出場の切符を手にした。
 始めたきっかけは東京五輪に関わるためだったが、「やってみると、すごく楽しい。世界で戦える結果を残せば注目される」と、ボッチャ普及も目的の一つだ。
 リオでメダルを持ち帰り、東京で世界一を目指すという高橋さん。ボッチャのテレビでの放送は残念ながらないが、地球の裏から応援しよう。

写真/高橋さん