足立朝日

六町ミュージアム・フローラで「絵手紙二人展」 「がんを二人で乗り切ろう!」

掲載:2016年10月5日号
 がんとの闘いの中で絵手紙と出会った女性と、それを支え励まし続けている絵手紙の先生が、今月の25日(火)から六町駅近くの美術館・六町ミュージアム・フローラで「絵手紙二人展」を開く。「絵手紙は、素直な感情の発露」「生きている証、二人の絆」という思いをこめて約30点の作品が並ぶ。
 「二人展」の主宰者は、絵手紙の教授である古地八重子さん(68)=中央本町1丁目在住=とその生徒・金子愛子さん(74)=足立2丁目在住。
 金子さんは、本紙1月号既報のように、7年前に卵巣がんが見つかり、7時間にも及ぶ大手術を経験したが、つらいリハビリの中で、古地先生や絵手紙と出会った。闘病の中での「生きたい!」という熱烈な思いを独特の絵と詩で表現し、「絵手紙集」(B5版、95頁、700円)を出版、感動を呼んだ。 
 一方、古地さんは、目黒区生まれ。高校生の頃から絵をやりたかったが、経済的な理由で短大を出て銀行勤めをした。それでも、絵をあきらめ切れず32歳で四谷にある美術学校に入り絵の勉強をする傍ら、美大の通信教育で教員免許を取得。結婚後、子連れで版画、紙粘土、木彫、油絵を勉強、2001年(平成13年)に絵手紙に引かれ、教室に通って講師資格を取った。そして2003年から教室を開講。「絵手紙は、手書きの良さと飾らない言葉がある。作品に優劣を付けず、一人一人が主役なんです」と古地さん。
 中央本町1丁目の自宅での教室に通う生徒は約20人。ほかに本町児童館、老人ホームなどでも開講。ある日の教室をのぞくと、6人の生徒(主婦)が、りんご、かぼちゃとどんぐり、有田焼の湯飲み、花などを題材にして、懸命に絵筆を動かしていた。古地先生は、一人一人にやさしくアドバイスをしたり、自ら絵筆をふるったり。各自は、絵が完成すると言葉を添える。「おいしく頂きました。ごちそうさま」「青空に向かって元気に」「秋が来たのね。うれしい」……。
 古地さんは、自分の作品を創作する傍ら、体調がまだ十分でない金子さんをいたわり、励ましながら額装にいそしみ、展示に備えている。
【日時】10月25日(火)~29日(土)正午~午後5時(最終日は4時)
【会場】六町ミュージアム・フローラ2階(TEL3885・7333)=つくばエ
クスプレス「六町駅」下車徒歩5分。バスは、綾瀬駅-六町駅-竹ノ塚駅東口か北千住駅から「花畑団地」行きで「六町駅」下車すぐ。
【問合せ】TEL080・5520・9259古地


写真上/古地先生と作品
下/金子さんと作品