足立朝日

「谷中の里の鎮守様」

掲載:2016年10月5日号
撮影/大内秀男さん(72)=東和4丁目在住

 東京メトロ・千代田線「北綾瀬駅」、しょうぶ沼公園の近く谷中1-12‐8にこの神社はある。正式名「下谷中稲荷神社」だが、人々は「谷中の里の鎮守様」と呼んでいる。小さな神社だ。
 写真を撮った大内さんは、このあたりののんびりした風景が大好きで、よくカメラを抱えてやって来る。「近所のお母さんでしょうか、お子さんを抱っこしてきて、何やらお祈りしていました。とても絵になる光景でした。この祠の横の区道に壁泉といって壁から水が流れ落ちているスポットがあります。癒されますよ」と大内さん。
 近頃このそばに2つの大きなマンションの建設が始まった。3年後の2019年4月、東京メトロ千代田線が北綾瀬駅から代々木上原方面の直通運転を始めるのを見越しての建設ラッシュ。「こののんびりした景観が壊されるのだけはやめてほしいです」と大内さん。 ところで、本殿は、最近床が約40㎝かさ上げされ、改装された。「社殿をレールに乗せて移動するのを見ていました。感動ものでした!」
 同神社では、今月15日(土)、氏子だけで祭りが行われる。氏子代表は、山﨑良雄下谷中町自治会長。「鎮守様」の祭りやいかに!?
(選者・学芸員 小林基治=日本写真会同人)