足立朝日

熊本産の無農薬野菜が買える! 期間限定・熊本支援ショップ 千住で営業中

掲載:2016年11月5日号
 熊本支援ショップ「原田商店」が、9月20日(火)、千住旭町にオープンした。12月末までの期間限定店で、農家直送の無農薬野菜など熊本産の食材が評判を呼んでいる。
 4月に熊本を襲った震度7の地震から半年、倒壊した家屋のほとんどがそのままで、復興の見通しが立たないのが現状だ。農家の打撃も大きく、少しでも元気づけたいと上京して店を開いたのが「熊本復興支援ネット」の原田秀夫さん(58)だ。
 実は原田さん自身、被災者でもある。自宅は土砂崩れで被害の大きかった南阿蘇。ドッグラン運営の他、熊本大学非常勤講師、南阿蘇観光協会理事などを務める原田さんは、熊本市内のイベント帰りに被災した。
 小学校で避難生活を送る中、支援物資が指定避難所にしか届かない現状や、「義援金の用途が確実に見えるところに寄付したい」という支援者たちの要望を受けて、自ら口座を開設、支援ネットを立ち上げた。支援物資を届けに東京から熊本に通っていた千住出身の運送会社社長・木内正二さんと出会った縁で、オーナーの平林秀太さんから解体前の空き店舗を借り、店を開いた。
◆リピーターじわじわ
 商品は無農薬野菜を中心に、米、味噌、佃煮、緑茶、ハーブティー、菓子、甘酒、ジャム、熊本ラーメンなどの食品の他、くまモングッズもある。
 無農薬野菜は安くはないが、一度食べると「おいしい!」とリピーター続出。みかんの甘さに虜になる人も。「からしレンコン」は予約しないと買えないほどの人気。自慢の馬刺しの販売も始まり、「すごく、おいしいですよ」と笑顔に力がみなぎる。
 運賃で野菜の儲けはほとんどないが、「支援金は現地でのみ使いたい」と、手弁当で運営。「小さな経済でもいいので、頑張っていることを熊本に見せたい。東京の人には復興が全然進んでいないことを知ってもらいたい」と思いは強い。
 「やっと覚えてもらえたので、続けたい。熊本の味を覚えてもらいたい」と原田さん。だが、次の店舗が見つからず未定だ。「できれば千住で、安い物件を募集中です!」。心当たりの人は一報を。
【原田商店】営業時間=午前10時~午後7時、場所=千住旭町35‐17(北千住駅東口徒歩1分)、TEL090・3199・7311原田

写真上/店舗を探して「来年も続けたい」と原田さん=原田商店の前で
下/おいしいと自慢の熊本産食材が並ぶ