足立朝日

皆に愛され47年! 全国で最後のトポス北千住店が閉店

掲載:2016年12月5日号
 「トポスは安くて品揃えも良く大好きでした。本当に困ります。ぜひ、またリニューアルオープンしてほしい!」「北千住のオアシスが……。トポスロスに……」「古き良き時代の店舗が次々なくなるのは、本当に悲しい」――。11月14日(月)夕、旧日光街道にあるトポス北千住店の店先は、惜別の言葉がつづられたたくさんの短冊と300人を超す人々で埋め尽くされた。午後6時半すぎ、最後の客を送り出して店先に並んだ店員たち。柿田幸一店長(51)の「感謝という言葉がすべてです。皆さまとまたお会いしたい!」という最後の挨拶に、大きな拍手が贈られ、涙ぐむ人も。 
 トポス北千住店は、1969年(昭和44年)、大阪万博の翌年に「丸信千住店」という名前でオープン。それがダイエー北千住店になり、1981年(昭和56年)からダイエーのディスカウトストア「トポス北千住店」となって35年。地下1階、地上4階建の何でもある小型百貨店として、週刊ダイヤモンドに「日本一安い店」と書かれたほど。しかも曜日を決めた早朝バーゲンなども実施、文字通り地域の購買の核、生活の基盤として愛されてきた。
◆ザ・プライスにトポス――2つの核が閉店、「買物難民」が発生?
 昨年7月、足立区はトポス北千住店のある地域一帯の「千住一丁目地区市街地再開発事業」を発表、トポスの閉店と1、2階に商業施設を併設した地上30階建の高層マンション(180戸)の建設を明らかにした(本紙5月号既報)。
 再開発組合によると、「トポス」は、12月から解体工事に入り、高層マンションは来年4月に着工となる。竣工は3年後の2019年(平成31年)9月。解体・施工は、㈱フジタ東京支店。
 北千住では、今年4月に57年続いたイトーヨーカドー・プライスが閉店したばかり。そして今回のトポスの閉店と続き、「皆が使いやすい、安くて便利と言っている店がなぜなくなるのかわからない」(60代、主婦)という声もあり、お年寄りや主婦を中心に「買物難民」が発生しているのも事実。
 「千住一丁目再開発を考える会」の長谷川保一代表は「私たちや住民の要望にきちっと応えないまま、スケジュールに沿って見切り発車的に進めているのはおかしい」と批判している。

写真上/名残を惜しんで駆け付けた人に最後の挨拶をする柿田店長とスタッフ
下/進む解体工事