足立朝日

綾瀬あかしあ園 癒しのカフェ&フリースペース 「ふぉらん」オープン

掲載:2016年12月5日号
 障害者施設「綾瀬あかしあ園」(社会福祉法人あいのわ福祉会)に地域の人たちも利用できる、カフェ「Forian ふぉらん~森の集い~」が10月にオープンした。
 「ふぉらん」はFOREST(森)とLIAN(集まる)を合わせた造語。森をイメージした床や壁など木製を基調とした店内には、廃材を利用した味のあるインテリアもあり、「人に集まって欲しい」との願いの込められた居心地のいい空間になっている。ペンキ塗りなどの内装は、施設利用者が職員と一緒に手掛けた。
 普段、介助される側の利用者だが、このカフェでは「店員」であり、「お客さん」でもある。希望者が交代で接客を担当。職員がサポートし、車椅子で注文を受けて、席まで運ぶ。「いらっしゃいませ」の挨拶を言うだけでも簡単ではないが、一生懸命もてなしてくれる。
 「人と接するのにどうしていいかわからないと言っていた人が、大きな声で挨拶できるようになったり変化がある」と金井弘文施設長。鈴島妙子理事長も見違えるほど前向きな利用者の姿に、「働く喜び、生き生きする場を作りたかった。社会につながっている場」と目を細める。
 メニューは同会運営の神明福祉施設で焙煎したコーヒー(200円)、カフェオレ(250円)、オレンジジュース(150円)、アップルジュース(同)、コーヒーゼリー(250円)など。
 一押しは「ふぉらんカレー」(540円)。甘口と辛口があり、ルーから作る本格派で自慢の一品だ。近所の会社員などがランチに訪れ、売り切れる日もあるとか。厨房は神明福祉施設利用者が、実習を兼ねて次の就労へのステップとして担当している。あかしあ園の自主製品やパン、区内業者のお菓子などの物販もある。
 カフェにはフリースペースも併設されていて、地域に無料で貸し出している。8×7・4mの明るく心地いいフロアにはピアノ、ソファ、洗面台もあり、様々な用途に利用可能。これまでヨガやお茶会などが開かれている。
 心やすらぐ癒しの場は、地域の人々と障害を持つ人々の交流や理解を深めるきっかけになりそうだ。
▼場所・営業時間(カフェ、フリースペースとも)=綾瀬7‐2‐5、木・金の午前11時~午後3時、TEL5682・7272(フリースペースの利用は団体登録してから、1カ月~1週間前に予約する。無料)

写真/カフェの店内