足立朝日

Vol.172 荒馬座創立五十周年記念「未来へのまつり~五十年後の子どもたちへ」

掲載:2016年12月5日号
次世代へ繋ぐ「夢と希望の一大プロジェクト」

 「首都圏に民族文化の花を咲かせよう!」を合い言葉に活動する民族歌舞団「荒馬座」が、創立五十周年を迎え、5年ぶりにシアター1010に登場する。
 前回は、東日本大震災翌年の公演ということから、人々の生活に根付いた民族芸能が、苦難を乗り越え再生への足掛かりになることを信じて、「未来は祭の輪の中に」をテーマに上演。今回は、その想いを継承しつつ「荒馬座」の可能性をさらに広げるために、新たな企画に挑戦する。
 テーマは「未来へのまつり~五十年後の子どもたちへ」。企画制作部の淺井好子さんは熱く語る。「新たな企画とは、第1部での『25人の子どもたちと演技部準座員、荒馬座員の総勢50人の出演』。豊かで便利な生活をしているはずの現代の私たちが、『本当に豊かか? 本当に幸せか?』と思える。荒馬座の願いは『争いごとを好まず自然と共存して暮らしてきた祖先に学び、首都東京で人と人とを繋げる』こと。これから先の50年、私たちはどんな未来を子どもたちに手渡せるかという想いを皆で共有したい」。同企画には、働きながら荒馬座と共に太鼓民舞の種を蒔いてきた準座員や、荒馬座公演を共に作ってきた各地実行委員会、公演関係者への溢れるほどの感謝の想いが込められている。
 第1部は、アイヌの唄と踊り。剣の舞・鶴の舞・弓の舞をはじめ、八丈島太鼓・貝殻節・三宅島太鼓・荒馬踊りを披露する。出演者がまとうアイヌの衣装は、後援会員による渾身の手作り。アイヌ舞踊は、北海道の平澤隆二さんが指導。子どもたちは驚く勢いで教えを吸収し、座員を驚かせ感動させた。第2部は、七頭舞・沖縄の唄と踊りをはじめ、震災後の福島で地元の人々と創作した「霊山廻り打ち」を披露。原発事故で分断してしまった人々の繋がりと、地域の再生を願い、座員と実行委員会のメンバーが心を一つにして太鼓を打ち鳴らす。その他、おわら・秩父屋台囃子などの音色、未来への想いを込めた太鼓の響きが舞台を飾る。
 「過去から次世代へ繋ぐ夢と希望の一大プロジェクト」が遂に始まる。
【公演日時】2017年2月12日(日)午前11時・午後4時開演
【料金】前売=4500円、子ども(4歳~高校生)・障がい者・70歳以上=3500円、当日300円増、フレンズ割引あり
【チケット】TEL5244・1011
【場所】シアター1010 足立区千住3丁目92