足立朝日

酉・とり・鳥 足立区の鳥は約70種 冬はバード・ウォッチングに 出かけよう

掲載:2017年1月5日号
 今年は酉年。酉=ニワトリは朝一番に鳴くことから縁起が良く、また「取り込む」にかけて商売繁盛の年とも言われている。
 種類は違えど、せっかくのトリ年。木の葉が茂っていないこの季節は、野鳥観察にはもってこいだ。さえずりで心を和ませてくれる鳥たちの姿を、探しに出かけてみては。


 普段良く見かける鳥といえば、スズメ、ハト、カラスだが、区内で27年度に確認された野鳥は71種類。実は様々な鳥が、私たちのすぐ身近なところで生活している。
 街中に樹木が1本あるだけでもやってくる鳥たちにとって、多くの公園がある足立区は「住みたい街ランキング」に入っているのかもしれない。
 特に荒川河川敷は区の面積の1割を占め、人工の放水路ながら区内最大の自然の場となっている。
 20年前から荒川での野鳥観察を行っているのが、「足立・自然にふれあう会」(通称あしだち)だ。足立区が自然環境を知る指標の一つとして1992年から設置している「野鳥モニター」の研修を機に設立。現在は区民を中心に会員数70人ほどで、毎月、探鳥会の開催、他団体の探鳥会のサポートなど活動している。
 2007年には10年間の成果をまとめた「荒川の鳥たち」を作成。20年目の今年は集大成となる2冊目を発行予定。
◆猛禽類や夜中にさえずる鳥も
 会長の村澤嘉信さん(77)によると、昨年は49種類を確認したという。近年見るようになった珍しい鳥は、オオタカ(西新井上流)、ハヤブサ(学びピア付近、新田)。小型の猛禽類のチョウゲンボウは、東武線の鉄橋に営巣しているそうだ。
 足立朝日編集室のある千住旭町では、3年ほど前から北千住駅近くで、真夜中に高らかな美しいさえずり声が聞こえることがある。「こんな夜中に鳥?」と不思議に思った住民も多いだろう。
 この宵っ張りの鳥の正体はイソヒヨドリ。海岸近くに棲む鳥だが、近年は八王子で繁殖が確認されるなど内陸部に生息地を広げている。都市農業公園でも目撃されている。
 村澤さんに野鳥観察のだいご味を聞くと、「季節感ですね。図鑑でしか見られないものが見られるのは喜びの一つ。今は生態を見るのが面白い。微笑ましく見えたり、助けてやりたくなったり」。鳥は頭が良く感情も豊かで、じっくり観察していると発見も多い。野鳥観察のコツは「マイフィールドを持つこと。自分の行きつけの場所で、そこの鳥を覚える」と村澤さん。双眼鏡、図鑑、フィールドノートは必携。グループの場合は、鳥を見つけたら間違えを気にせず話すことが大事だそうだ。
◆「舎人公園バードウォッチング」
2月5日(日)午前10時~正午、無料、当日参加、第2駐車場集合。足立・自然にふれあう会主催、舎人公園サービスセンター・舎人公園ボランティ
ア共催。
【問合せ】TEL3870・4442村澤
◆今のシーズンに見られる可能性のある鳥
▽荒川ビジターセンター/チョウゲ
ンボウ、ユリカモメ
▽都市農業公園/イソヒヨドリ、ジョウビタキ
▽桑袋ビオトープ公園/カワセミ(通年)、アオジ
▽舎人公園/カシラダカ、アトリ、
カモ

写真上からA/イソヒヨドリ(雄)。実物は鮮やかなブルーと赤レンガ色(写真提供=都市農業公園)
B/カワセミ(写真提供=桑袋ビオトープ公園)
C/チョウゲンボウ(写真提供=荒川ビジターセンター)
D/村澤さん