足立朝日

大神楽でハッピーな1年を!

掲載:2017年1月5日号
 足立区在住の太神楽曲芸師・鏡味味千代さんがブレイク中だ。
 太神楽とは、奈良時代からの千年の歴史を誇る日本古来の伝統芸。江戸時代、獅子舞と曲芸を中心とした神事芸能として関東に広まった。
 国際基督教大学を卒業し、英語・フランス語を操る鏡味さんが、なぜこの世界に入ることになったのかは、春の「ピープル」欄で触れるとして、まずは新春に相応しい太神楽の主な演目を紹介。
★傘廻し(物事がうまく廻るように「毬」、お金回りが良くなるように「金輪」、益々繁盛するように「枡」など、傘の上で廻るものなら何でも廻す芸)
★五階茶碗(「幸せが積み重なっていくように」と願いを込めて、顎の上に立てた棒の上に、色々なものを積み重ねるバランス芸)
★バチ(ジャグリングで、バチや毬が上へ上へと昇るおめでたい芸)
 特に五階茶碗は、毬と毬を重ねた不安定な状況にも関わらず、さらにその上に物を積み重ねていくというハラハラドキドキの芸。「そんなこと、できる訳がないでしょう」と誰もが思う技を、美形の鏡味さんがサラリとこなす姿が実に神々しい。
 かなりの集中力が必要だが、その軽妙な語り口で観客を笑わせながら、天に向けて塔を築くハッピーな芸。この幸せ感は、観た者の特権! 鏡味さんの公演日程は次の通り。
◆1月18日(水)午後6時、シアターX(両国)「ロビー寄席」1000円
◆1月27日(金)午後7時、 あかぎ神社(神楽坂)「あかぎ寄席」1500円
◆1月28日(土)午後12時半、2時、4時、江戸東京博物館(両国)ワークショップ 入館料のみ
◆2月3日(金)神楽坂界隈にて一軒一軒「獅子舞」で家をまわるイベント。笛と太鼓の音を頼りに探して、うまく巡り会えたら超ラッキー! 
 なお「KASAMAWASO日本全国傘廻し」検索で、何でも廻してしまう鏡味さんの動画あり。鏡味さんへの連絡は、落語芸術協会TEL5909・3080まで。

写真/写真撮影=橘蓮二氏