足立朝日

五色桜への情熱で10周年 「江北村の歴史を伝える会」 堤防桜並木の名称も決定

掲載:2017年1月5日号
 「江北村の歴史を伝える会」(浅香貴子会長)が創立10周年を迎え、昨年12月4日(日)、都市農業公園(鹿浜)の農業交流館会議室で「祝う会」を開いた。
 かつて足立区江北の荒川堤は里桜の名所として知られ、様々な色の桜が咲きそろう様子は「五色桜」と称されて多くの花見客で賑わっていたが、3000本もの見事な並木は、堤防工事、戦争による伐採、公害などにより姿を消した。
 同会は地元でも忘れかけられているそんな江北の歴史を後世に伝えたいと、2006年に発足。地元の桜研究家・故舩津金松氏をアドバイザーに、会員一人一人が研究者顔負けの情熱で桜の調査、周知に打ち込んできた。
 これまでに、足立まちづくり公益信託トラストの助成を受けて、桜ガイドブックを2冊発行、都市農業公園への五色桜資料館設置、足立区の桜が贈られた米国ワシントンとの交流など、活動を広げている。
 顧問の木村繁氏は江北北部緑道の十月桜の満開を喜びとともに報告。続いて挨拶に立った浅香会長は、感慨深く10年間の活動を振り返り、「桜から脱して他の歴史に移れないのは桜の奥深さと魅力によるもの。誇りを持って、これからもまちづくりに関与していきたい」と20周年に向けて、さらなる躍進を誓った。
 来賓として足立区まちづくり課・八鍬一生課長、日本典礼・宮地正治会長による祝辞、三原正嗣氏による記念講演の後、スライドを上映し10年間の歩みを振り返った。
 足立区は平成21年度から27年度まで「ふるさと桜オーナー制度」による荒川左岸堤防上の桜植樹を実施。完成した桜並木の愛称が公募(応募総数101件)により「あだち五色桜の散歩みち」に決定した。

写真上/桜が結んだ縁に感謝を述べる浅香会長
下/活動の歩みが詰まった記念誌