足立朝日

Vol.174 石見神楽 亀山社中

掲載:2017年2月5日号
匠の技・舞と神楽三位一体の美しさ

 荘厳さと絢爛豪華さを誇る「石見神楽」が今、脚光を浴びている。昨年4月に行われたシアター1010での東京公演も大成功に終わり、伝統芸能の美しさ・素晴らしさを堪能した観客から大きな拍手が送られた。その期待に応えるべく、この4月に「石見神楽亀山社中」が3度目の東京公演にチャレンジする。
 タイトルは「天に舞い地を駆け巡りて――」。その名の通り、匠の技が結集した衣装・蛇胴・面などをつけた舞い手が、大太鼓・小太鼓・手拍子・笛による囃子に合わせて勇壮で華麗な舞を披露。
 「石見神楽亀山社中」は、島根県西部に伝承される石見神楽の中でも異彩を放つ創立18年の若い社中。評判・実力ともに兼ね備え、地元でも名を馳せる。神楽とは、日本神話の「天の岩戸隠れの段」でアメノウズメノミコトが舞った舞が起源とされ、石見神楽は、室町時代後期から舞われているといわれる。八調子の速いテンポに乗っての囃子と舞は、観客の心を軽やかにし、幸せな気持ちを喚起する。
 ゲストの「石見神楽東京社中」は、石見神楽の首都圏での認知度向上と、石見への観光客誘致の一環として、石見地方出身者を中心に結成。大阪万博で全国的に知られるようになった石見神楽を、さらに積極的に発信している。
 石見地方には150を超える神楽団体があり、多くの若者が中心的役割を果たしている。今公演でも、エネルギッシュで躍動感ある舞と囃子を担う。演目は▼昼公演=「儀式舞」、悪狐退治の「黒塚」、須佐之男命登場「大蛇」、学問の神様・菅原道真公の「天神」、鯛釣りを楽しむ「恵比須」、もののけ退治の「頼政」▼夜公演=「儀式舞」、異界の頭を天皇が成敗する「塵輪」、「大蛇」、弁慶と牛若丸が出会う「五條橋」(=写真)、「恵比須」、鬼女と陰陽師・安倍清明の闘い「貴船」。どれも、同社中の創意工夫溢れるアレンジにより、観客は時には手に汗を握り、時にはコミカルな舞に笑顔になる。特に、様々な姿に変化する独創的な「八岐大蛇」の登場は圧巻で、観客に驚きと感動を届ける。老若男女を問わずに楽しめる「石見神楽」の迫力を、ぜひご堪能あれ!
【日時】4月15日(土)12時、16時30分【前売料金】S=5500円、A=4500円、B=3500円、フレンズ10%引【チケット】TEL5244・1011
【場所】シアター1010 足立区千住3丁目92