足立朝日

千寿常東小で道徳の公開講座 都内に例がない先駆的教育

掲載:2018年1月5日号
 「友だちとケンカして何度謝っても許してくれない時どうしたらいいですか?」の質問に「許してもらえない理由が必ずあると思うので、それをまず考えてから対処したらどうですか」の答え――。
 12月9日(土)、千住旭町にある千寿常東小(加藤敦彦校長)で「道徳授業地区公開講座」が行われ、体育館に集まった4~6年生275人、保護者ら約180人が意見を交換して盛り上がった。
 この公開講座は、加藤校長の発案で2年前に始まり、今年で3回目。4~6年生の各クラス代表が質問し、保護者を代表してPTA会長、町会長らがそれに答えるとともに、会場の保護者には共通質問を出して、イエス、ノーを赤と青のカードで答えてもらう、というもの。
 今回質問の児童、答える保護者は各9人。考えてもらった質問を回答者には事前に渡したが、もちろん答えは自由、のガチンコ問答。「結婚するといいこと、しないといいことは何?」「なぜ、人間は嘘をつくのか?」「世界の国を全部一つにまとめたら、戦争がなくなってもっと平和になるんじゃないのか?」など。
 答えは「結婚して良かったのは、常東小に通う子どもが生まれたこと」など、当意即妙あり、上から目線ありで、会場は笑いが起きたり、ざわついたり……。保護者への共通質問「おとなの方が幸せか、子どもの方が幸せか?」では赤、青半分ずつだった。
 ぶっつけインタビューで「君が一番幸せな時は?」の質問に、「今生きていることです」と児童が答えた時は、会場に「ウォッー」という歓声と拍手が。
 加藤校長は、最後に「今日の答えは、あくまで一つの考え。法律とは違い、こうすべきというものではありません」とまとめた。

写真/大盛況の「大人と子供の討論会」=千寿常東小の体育館で