足立朝日

足立区議会議長 かねだ 正 さん(45)

掲載:2017年11月5日号
地域の相談係として真っ向勝負

 政治に関心を持つ祖母と父親のDNAを引き継いだ、かねだ正議長は、大学卒業後に勤めた企業を退職し、政治の世界へと転身を果たした。衆議院議員の公設秘書として経験を積み、平成19年に足立区議会議員に初当選。以降、3期連続当選を重ねている。その間、監査委員、文教委員長、決算特別委員長などを経て、今年、区議会議長に就任した。
 かねだ議長の政策の基本は「安全・安心なまちづくり」。特に、災害に強い安全なまちを構築し、区民の生命・財産を守ることが重要であると考えている。そのために「地域の相談係」に徹して、日々奔走中だ。自ら西新井消防団団員として活躍するのもその一環である。
 足立区の教育方針は「たくましく生き抜く力を育む」。基礎学力はじめ、心を育てる道徳教育にも力を注いでいる。その最前線である学校現場にも、かねだ議長は足しげく通う。区議であり議長であると同時に、小学校のPTA会長としても精力的に活動するパワフルさはすごい。
 高校時代にラグビーに親しみ、屈強な精神力と身体力を兼ね備えているかねだ議長が現在危惧することは、足立区は糖尿病の一人当たりの医療費が、23区で最も多いこと。それを受けて足立区では、「野菜を食べる環境」「子ども、家庭の良い生活習慣」「重症化予防対策」の3つの糖尿病対策を推進している。民間との協働による「あだちベジタベライフ」事業はその一つだ。
 かねだ議長は「足立区民の健康寿命が都平均より約2年短いことも衝撃的! 子どもの時からの生活習慣が何よりも大事なことを伝えていきたい。食事の際、野菜を先に食べるベジファーストは、血糖値が急激に上るのを防ぐので有効的」と話す。
 取材当日は、第十四中学校(難波浩明校長)2学年の横山晶くん、林拓人くん、佐野義明くん、柿井田一翔くんが記者体験のために同行。かねだ議長は「挨拶はコミュニケーションの基本なので大事です。そして、ご両親には感謝の気持ちを忘れないで」と力を込めてアドバイス。
 穏やかな笑みを浮かべながらも、常に真っ向勝負のかねだ議長の真髄はここにある。