足立朝日

第99回 全国高等学校 野球選手権大会 東東京大会

掲載:2017年7月5日号
 夢の甲子園目指して、いざ決戦の始まりだ!! 朝日新聞社と東京都高校野球連盟が主催する第99回全国高校野球選手権東東京大会が、7月8日(土)から始まる。足立区内からは、今年も8校が参加。初戦校、日程、球場も決まった。恒例の出場各校の横顔を紹介する(掲載は順不同)。


◆まず1点まず1勝!
都立足立西高校/江北5-7-1、TEL3898・7020【部員】21人(3年5人、2年6人、1年9人、マネージャー1人)【監督】芝英晃(41)【キャプテン】棚橋周平(3年、一塁手)
 昨年は、5回戦で関東一に敗北して、ベスト16に終わった足立西。今年はチーム全員の力をひとつに「まず1点、まず1勝」をスローガンに予選を戦う。
 昨夏の大会終了後から、新たに監督として就任した芝英晃監督は、学生時代は投手として江戸川高校、順天堂大学で活躍した人。チームにスター選手がいない分、「一人ひとりが自分の役割をしっかりとすることで、終盤に1点差勝負をするような展開に持ち込み勝ち切りたい」と話す。
 初戦の相手は、全国トップクラスの進学率を誇る開成。「頭の良さでは勝てないかもしれないが、野球では負けない」と棚橋主将。昨年を超すベスト8まで勝ち上がれば、関東一と再戦できるかもしれないが、まずは目の前の試合に集中して1戦必勝を胸に油断せずに試合に挑む。
◆バランスの良さと粘りで1球1球大切に
足立学園/千住旭町40-24、TEL3888・5331【部員】39人(3年10人、2年14人、1年15人)【監督】鈴木龍(39)【キャプテン】滝本凌雅(3年・二塁手)
 チームのバランスが良く、攻撃の厚みに最近は粘り強さも加わった。レギュラーは2年生も4人。初戦は9日(日)、神宮球場で広尾学園と対戦。
 主将の滝本くんは「一人ひとりが諦めないように戦っていくチーム」と分析する。日頃の生活や練習の中で、1球1球大切に取り組んできたという自信が各自の強みだ。「後悔しないように、自分たちのやってきたことを出したい」とチームをまとめる。
 エースの長谷川稜佑くん(3年・右)は、春から背番号1を担う。スピードとインコースで勝負。「相手に流されないように、強気で行く」
 もう一人のエースは杉本将司くん(3年・左)。コントロールの良さが持ち味で「長打を打たれないように投げる」と勝利を目指す。
 副主将の平川航くん(3年・捕手)が2人のエースを支える。「センターラインにキャプテンがいるので、守っている側としても心強い。自分から盛り上げていきたい」
◆「十人十色」でひたむきに成長見せる
都立荒川商業高校/小台2-1-31、TEL3912・9251【部員】26人(3年5人、2年7人、1年10人、マネージャー4人)【監督】石川和也(54)【キャプテン】青山翔(3年・遊撃手)
 今年は1年が10人入部、近年まれな大人数で夏を迎える。野球未経験で未熟さに泣いていた部員が、3年間で見違えるほどに成長するひたむきさが荒商野球の醍醐味だ。それが実を結び昨年は1回戦突破。それを引き継いだ今年は、うまさも強さもありバランスがいい。初戦は11日(火)11時、都営駒沢で葛西工と対戦。
 主将の青山くんは「学年の壁がなく、グランド内では対等。そこから生まれてくるチームワークがいい」と語る。打って流れを作り勝利を目指す。エースは今泉翔くん(2年)と鈴木健太くん(2年)の2枚看板で、今泉くんは昨年の試合にも出場しているのが強みだ。
 今年はマネージャーも新たに3人入部。3年間、選手を陰で支えてきたチーフマネージャーの小林月さん(3年)は、「みんな本当に仲良い。成長を見てきたので、2人背番号を貰えないのが淋しい」。
 一から共に育ってきたチームが大会へ一丸となって、初戦突破を目指す。
◆昨年のリベンジを果たし2回戦突破へ!
都立足立工業高校/西新井4-30-1、TEL3899・1196【部員】12人(3年3人、2年4人、1年5人)【監督】松橋剛(45)【キャプテン】吉田一輝(3年、捕手)
 全員が「運命としか言えない組合せ抽選会だ」と話す。今大会初戦の相手は、昨年2回戦で5対15で敗れた日出高校。戦う場所も同じ明大球場。全員が「昨年のリベンジを果たせる」と初戦に向けて気持ちを高めている。
 チームを引っ張るのは3年生の3人。全国でも常連の区内中学生が所属する軟式野球チーム「ブラックキラーズ」で活躍した野口優人くん(3年、投手)と主将の吉田一輝くん(3年、捕手)の通称ブラキラコンビと、阿久津和真くん(3年、外野手)。吉田主将と野口くんは小学生からの付き合いで、呼吸もピッタリ。「ピッチャーから良い流れをもらい、自分たちが打撃で盛り上げていきたい」と吉田主将。
 昨年の夏、明大球場に忘れてきたものを取り返しに、ブラキラコンビを中心とした足立工業ナインの暑い夏が始まる。
◆秋春の悔しさをバネに精神力を発揮
都立足立新田高校/新田2‐10‐16、TEL3914・4211【部員】73人(3年24人、2年23人、1年17人、マネージャー9人)【監督】小野将幸(34)【キャプテン】森田恭世(3年・二塁手)
 秋・春ともに延長サヨナラ負けを経験、その悔しさを成長の糧としてきた。スター選手はいないが、総合力は近年の中でもある。公式戦でどこまで力を発揮できるかがポイント。初戦は13日(木)の神宮第二。豊島学院―海城の勝者と対戦する。
 主将の森田くんは「まとまりがいい形になって、集中力が上ってきた」という。エラーを重点的に、精神面も成長した。「接戦を勝ち上がっていけるチーム」が目標だ。個人としては「バッティングチャンスで1本返すつもりでやりたい」と話す。
 エースの清水友喜くん(3年)の持ち味はキレと、ストレートからのチェンジアップ。秋春で粘り負けを教訓に、ブルペンでの投げ込みの量も増やした。「ランナーを出しても0点に押さえ込めるようにしたい。打撃力のあるチームを信用している」
◆全員で、気持ちをひとつにして戦う!
都立淵江高校/東保木間2-10-1、TEL3885・6971【部員】32人(3年9人、2年8人、1年11人、マネージャー4人)【監督】茶川剛史(33)【キャプテン】廣瀬直希(3年、遊撃手)
 昨年は初戦敗退と悔しい思いをした淵江高校。城東高校で甲子園出場経験のある茶川剛史監督は「これまで以上に、気持ちを全面に出して戦っていく」と力強く話す。
 チームの核となるのは、一番バッターの廣瀬主将。切り込み隊長として彼が出塁できれば、後続打者も続いて、チャンスが広がる。守備は黒川聖斗くん(3年、投手)と竹下和生くん(3年、一塁手・投手)2人の3年生投手がカギを握る。特に黒川くんは、昨年の大会で、試合中に足がつってしまいチームに迷惑をかけたと、この大会に掛ける思いは強い。
 廣瀬主将は「今大会に向けて頑張って練習してきた。全員野球で1試合でも多く戦いたい」と話す。目標はベスト16以上、都立ナンバー1を目指して、まずは初戦突破!
◆今年こそ悲願の初戦突破
都立青井高校/青井1‐7‐35、TEL3848・2781【部員】13人(3年4人、2年3人、1年4人、マネージャー2人)【監督】樋口陽彦(27)【キャプテン】猪狩洸次(3年・遊撃手)
 この3年間、無念にも1回戦で敗退したが、「今年こそ!」とチームを引っ張るのが、昨年同校に赴任した樋口監督。名門・福岡の八女高野球部出身(捕手)だけに「とにかく勝ちたい」。
 昨夏以降6人の3年生が卒業、主将の猪狩くんと投手の和田裕介くんの2人になったため、2人は「高校最後の大会。何としても出たい」とクラス回りをして1、2年生を中心に6人を入れた。3人がバスケ部かけもちの新人。
 初戦の鷺宮戦は、打たせてとるタイプの和田くんが抑え、4番猪狩くんを軸に長打で得点し「悲願の1回戦突破をしたい」(猪狩くん)。
◆久々の単独チームでまずは初戦突破
都立足立東高校/大谷田2‐3‐5、TEL3620・5991【部員】9人(3年2人、2年3人、1年1人、マネージャー3人)【監督】牛窪大季(28)【キャプテン】若林亮我(3年、投手&遊撃手)
 ここ数年、人数不足により他校とのと連合チームで悔しい思いをしてきたが、今年は何とか連盟既定の5人となり、強豪・城東高(江東区)から4人のレンタルを仰ぎ、単独での出場を果たした。
 しかし、チームの内情の苦しさは変わらない。若林主将ともう一人の投手で左ききの岡本度款くんの二人がチームの柱。「初戦の駿台学園戦は、若林でいって岡本に継投させ、少ない点差で勝ちたい」と牛窪監督。若林くんも「昔単独チームで出た時の初戦突破の夢を何としても果たしたい」と決意を語る。