足立朝日

Vol.186 SHOW HOUSE「GEM CLUBⅡ」玉野 和紀

掲載:2018年2月5日号
玉野入魂の原石が光り輝くショー

 昨年5月に「CLUB SEVEN―ZERO―」で、圧倒的な構成・演出・振付をもって、各界でプリンシパル(主役)を務める仲間と共に、タップ・ダンス・歌・スケッチ(コント)・芝居などオールラウンドな能力を披露した玉野和紀(写真上段左)――。この3月には、SHOW HOUSE「GEM CLUBⅡ」を引っ提げて、再びシアター1010に登場する。
 化学の世界から、異分野の演劇の世界に転身した玉野だが、ジャズ・ビッグ・バンド界に君臨し続けるデューク・エリントン・オーケストラに心打たれ、1986年にニューヨークへ。そこで、ショービジネスに必要なあらゆる要素を身に叩き込んだ玉野の、作・演出・振付のオリジナルミュージカルは各方面で高い評価を受けた。日本を代表するタップダンサーとしても名を馳せ、遂には、日本で初めてデューク・エリントン・オーケストラとの共演を果たした。
 その想い出の舞台を彷彿とさせるビッグ・ジャズ・バンドと、川平慈英、シルビア、川島ケイジ、龍真咲ら豪華なキャストによる一夜限りの「One Night Dream」(東京国際フォーラム)を、昨年11月に玉野が構成・演出・振付・出演し、大成功を博した。
 常に進化し続ける玉野が今回挑む「GEM CLUBⅡ」は、ミュージカルでありながら、ショー・スケッチが満載のショー・ミュージカル。GEM(若い才能ある原石)たちが、中堅に混じって玉野の指導を受けながら、自身を光り輝かせるために熱い稽古に励んでいる最中だ。「今の世の中、物事に一生懸命取り組むことが嫌がられる時代。でも僕は、一生懸命な姿こそが人を感動させられると思っています。体力の限界まで挑む舞台は、まさにスポーツ競技! 僕たちも出場するつもりで舞台に立ちますから、皆さんも観戦するつもりで、僕たちと一緒に闘ってください! そして、『明日も頑張るぞ!』と思っていただければうれしい」と玉野。かつて学んだ化学が、水俣病をも引き起こした現実に自問自答。「人を幸せにしたい」という切なる願いが、玉野の命がけの舞台の原動力となっている。
【日時】3月16日(金)18時30分、17日(土)12時30分・17時、18日(日)14時【料金】プレビュー特別価格8800円【チケット】TEL5244・1011