足立朝日

世界選手権などで活躍 ビリヤード・小宮千彩さん

掲載:2007年2月5日号
◆◇世界選手権などで活躍
小宮千彩さんビリヤードは生涯スポーツ



自分自身との勝負、集中力が勝敗を分ける
 「ビリヤード」というと、どんなイメージだろうか。
あまり健全でない大人の遊び? そんなイメージを吹き飛ばす活躍をしているのが、足立新田高校2年の小宮千彩(ちあき)さん。「ビリヤードは大人も子どもも車椅子の人でも、誰でもできる生涯スポーツです」と、誇らしく語る。
小宮さんは昨年、国内代表戦を勝ち抜き、唯一のガールズ(19歳以下女子)枠を獲得。8月に香港で行なわれた世界選手権アジア代表決定戦に、日本代表選手として出場した。10月の全国スポレク鳥取USナインボールトーナメント大会には、B級の東京代表として出場し入賞を果たした。


ここが魅力
 小宮さんは昨年、国内代表戦を勝ち抜き、唯一のガールズ(19歳以下女子)枠を獲得。8月に香港で行われた世界選手権アジア代表決定戦に、日本代表選手として出場した。10月の全国スポレク鳥取USナインボールトーナメント大会には、B級の東京代表として出場し入賞を果たした。  14歳の時、父親とビリヤード場に遊びに行ったことがきっかけで始めた。家の近くの店に通い、知り合ったプロの指導を受け、今は自分もプロを目指して修行の日々だ。苦手な球の配置を、1日300本3日連続で練習したこともあるという。
  「球は同じ配置にはならないので、頭を使って考えて、思い通りに球が入った時が気持ちいい。自分の成長がすごくわかるのが面白い」と魅力を話す。
  試合は静かな会場に球の音だけが響き、まるで囲碁のように淡々と張り詰めた雰囲気。衆人環視の中での長時間のプレーは相当なプレッシャーで、かなり集中力が養われる。
  弟の鐘之介くん(新田小6年)も、昨年関東小中学生の大会コバトン杯で優勝した実力の持ち主で、成長の刺激になっている。

ビリヤードの普及
 現在、小宮さんはNPO法人ハンディキャップビリヤード協会の理事として、後輩や車椅子の人の指導もしている。昨年12月の第1回バリアフリーペアマッチ大会では、車椅子の選手と組んで優勝した。「激しくないし、頭と指を使うのでリハビリにもいいらしい。福祉としてもいいし、もっと広めていきたい」という。
  目下の悩みは、高校でのビリヤード同好会の立ち上げが難航していること。仲間も集まり、協会がビリヤード台を無償提供してくれることも決まっているが、置き場所の問題などから、なかなか学校の許可が下りないという。
  「後輩につなげるためにも、4月の新入生勧誘に間に合えば。結成したら、卒業後も指導に来たい」とビリヤード普及への熱い想いを語った。


小宮千彩さんと弟の鐘之介くん