足立朝日

変化続ける北千住駅東口 昭和の癒し 「喫茶室サンローゼ」3月で閉店

掲載:2017年3月5日号
 人気上昇中の北千住。その東口が4月から様変わりしそうだ。駅前パチンコ店2階の喫茶店「サンローゼ」が3月末に閉店するかと思えば、東京電機大学新館・5号館にスポーツクラブ「ルネサンス北千住」がオープンする。


 北千住駅東口から徒歩0分。パチンコ店の2階にある喫茶室「サンローゼ」が、3月28日(火)、38年の歴史に幕を下ろす。
 都内最大級の250席の広さに加え、昔懐かしいナポリタンや手作りハンバーグ、クリームソーダや本格的なコーヒーなど、充実したメニューと居心地の良さで、長い間地域で愛されてきた。
 店内は床の赤い絨毯に白を基調としたソファや壁、ヨーロッパ風の彫刻など、昭和の香りが漂う。そのレトロさが最近は若者たちにも人気で、土日は満席だ。
 レジカウンターに閉店のお知らせが貼られてからは、閉店を惜しむ人たちで平日も賑わっている。三ノ輪在住の20代の男性は「広いので使い勝手が良くて、いつも使っていたのに」と惜しむ。閉店を知って静岡県から来たという30代の夫婦は、「喫茶店が好きで前にも何度か来たことがある。雰囲気が気に入っているので」と残念がっていた。
 店舗が入っているビルは、パチンコ店などを展開するビックリヤ(吉田正行社長/本社=千住旭町4-13)が昭和42年に竣工。サンローゼは昭和53年にオープンし、以来、地域に憩いの空間を提供し続けてきた。
 昨年5月、ビックリヤのレストラン部門縮小により閉店が決まったが、正行さんの弟・康弘さんが「閉める前に自分がやりたい」と、自身が代表取締役を務める㈲縁jointで継続。その契約が3月で終了する。
 康弘さんは「父と母の思い出があったので、いい終わらせ方をしたくて、1年間借りた。皆様あってのお店なので、ご愛顧いただいた方には感謝してもしきれない」と話す。
 3月には来店客に、感謝の気持ちをこめてささやかな記念品のプレゼントも企画しているそうだ。
 時代の流れの中で、千住の名所がまた一つ姿を消す。
【喫茶室サンローゼ】千住旭町3-5駅前会館ビル2F、営業時間=午前8時~午後9時半(金土曜は午後10時半)、無休

写真上/北千住駅東口の目の前で38年間愛されてきた「サンローゼ」
下/広々とした店内で利用客は思い思いに時間を過ごす