足立朝日

Vol.7 落語維新

掲載:2018年3月5日号
活弁士と落語家による初の新芝居も

 今年は明治維新後150年――それを先取りした「かめありリリオホール発・初」の舞台が、4月に上演される。題して「落語維新」(構成=佐藤かんじ)。繁華街の深夜寄席に、長蛇の列を作る若者たちの姿に、空前の落語ブーム到来を予感させる今、若き落語家にとっても、これはまさに「維新!」である。
 今回の舞台は、同じく若き一人の活動弁士の進行で、全員落語家による初の新芝居「落語維新」を上演! さらに、選りすぐりの出演者、若手落語家7人による古典・新作を一挙に上演という超豪華版だ。
 新芝居の登場人物は、東京に4人しか存在しない活動弁士のうち、そのイケメン振りが際立つ「坂本頼光」。彼なくして、この舞台は成立しないという要を務める。
 7人の落語家は、まずは「笑福亭べ瓶」。褐色の健康色そのもののべ瓶が、なぜ病に倒れた沖田総司を演じるのかの爆笑理由が、劇中で明かされる。
 続いて、坂本龍馬を演じる「柳家わさび」。観客が「え~っ!」とのぞける姿が目に見えるようであるが、病弱のわさびが、某商品PRにおいてパワフルに生き返る様は見事。
 3人目は、西郷隆盛を演じる「桂宮治」。愛犬を連れた姿は有名だが、果たしてどのような愛犬が登場するか!?
 4人目は桂小五郎を演じる「桂三四郎」。関西弁の小五郎が、在り得ない場面に自然体で居るという不自然さを乗り切る。
 5人目は、土方歳三を演じる「入船亭小辰」。新芝居に一番不向きかもしれないと内心おののく姿が垣間見られるが、落語ではトリを取り、観客を安心の世界に導く。
 6人目は、近藤勇を演じる「春風亭昇也」。いついかなる場合も、こんがらかった状況を整理する技術は、稽古中も健在だ。
 そして最後、お龍を演じる紅一点の「林家なな子」。乱闘で討ち死にした6人が、一番恐れている蘇生術を駆使。落語では、この日のために新作を準備(新芝居共に作=山田浩康)。
 若手活弁士・落語家の夜明けは近いぜよ!
【日時】4月21日(土)午後4時【料金】2800円【場所】かめありリリオホール【問合せ】TEL5680・3333