足立朝日

Vol.187 「成井 豊のドラマ・リーディング教室 発表会」

掲載:2018年3月5日号
「座って演じる演劇」の醍醐味を

 今年も「成井豊のドラマ・リーディング教室 発表会」(シアター1010ワークショプシリーズ2018)が開催される。
 老若男女から支持され、最もチケットが取りにくい演劇集団キャラメルボックスの演出家・成井豊――かつて、高校教師として熱血漢ぶりを発揮したが、教育現場から弾け飛ぶエネルギーを持って、演劇界へと転身した。
 現在、キャラメルボックス2018スプリングツアーとして、7年目の再演となる「夏への扉」へ向けて躍動中であるが、その成井の演出力を一般人が享受できる絶好のチャンスが、同ワークショップだ。
 今年は、太宰治原作の『貧の意地』『走れメロス』を選定。昨年10月に公募が始まって以来、現在、14人の受講生が、全7回のワークショップに臨んでいる。当初はガチガチだった受講生が、回を重ねるごとに役を楽しみながらリーディング力を向上させていく様子は、実に感動的だ。
 そして、3月18日(日)には「発表会」という形で、これまでの試練を乗り越えた受講生一同が、ほとばしる想いを爆発させる。朗読会? 否、これは「座って演じる演劇」である。
 成井の演出力が、人をどのように変化させていくか、その眼でとくとご覧あれ! 成井と巡り会った受講生が、その後の人生を豊かに前向きに生きていくであろう姿を想像するだけで、思わず胸が熱くなる。
 感性溢れる成井の演出力の源の一つは、類い稀なる読書量にあるのではなかろうか。どのように多忙な時期においても、毎日確実に更新される「成井豊の公式ブログ」。
 まるで、速読の神が宿っているような長文の感想文・鑑賞文・推薦文には圧倒される。成井の凄さは、ブログのみならず「発表会」で! そして、14名の出演者に声援を!
【日時】3月18日(日)午後2時開演【場所】ミニシアター(シアター1010・10階稽古場1)【入場】無料・要予約、未就学児の入場不可【予約・問合せ】TEL5244・1011

写真下/成井豊