足立朝日

Vol.194ミュージカル レベッカ

掲載:2018年10月5日号
臨場感あるサスペンス・ミュージカル

 この冬、20世紀が生んだゴシックロマン小説の旗手、ダフネ・デュ・モーリア原作のサスペンス・ミュージカル『レベッカ』が、プレビュー公演としてシアター1010に登場する。ストーリーの進行が「わたし」で表現される斬新な舞台である。
 『エリザベート』『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』等を手がけたヒットメーカーコンビ、ミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイが音楽・編曲を担当。2006年にウィーンで幕を開け、日本では2008年に初演、2010年に再演された。演出は、日本初演から担当する山田和也。主演はミュージカル界の第一人者・山口祐一郎が続投する。
 物語の始まりは、モンテカルロのホテル。上流階級の紳士マキシム・ド・ウィンター(山口)と、アメリカ人富豪のヴァン・ホッパー夫人(森公美子)に世話係として雇われている「わたし」(大塚千弘/平野綾/桜井玲香)が巡り会う。妻を亡くし、精彩を欠いたマキシムは、心に安らぎを与えてくれる「わたし」を見初め、「わたし」もまた、マキシムに心惹かれていく。
 やがて結ばれた二人は、マキシムの屋敷があるマンダレイで新婚生活をスタートする。しかし、そこには先妻の幼少期から仕え、今も家政婦頭として屋敷を取り仕切るダンヴァース夫人(涼風真世/保坂知寿)の存在が。「わたし」を蔑む夫人の冷たい視線と、至るところに残る先妻の面影に「わたし」は追い詰められていく。そう、先妻の名は「レベッカ」……。
 今回「わたし」役に、初演から出演の大塚千弘に加え、平野綾と乃木坂46のキャプテン・桜井玲香が抜擢され、トリプル・キャストで演じる。他に石川禅、吉野圭吾、今拓哉、tekkan、KENTARO、出雲綾らが舞台を盛り上げる。
 マンダレイの屋敷に秘められた謎。それが解き明かされる驚愕の瞬間を、「わたし」と共に味わえる臨場感がたまらない。
【日時】12月1日(土)午後5時▼2日(日)3日(月)4日(火)午後1時30分、キャスト出演表は、シアター1010ホームページ参照。未就学児不可【料金】1万1500円、フレンズ割引有【チケット】TEL5244・1011