足立朝日

Vol.198 「成井豊のドラマ・リーディング教室」&発表会

掲載:2019年2月5日号
成井メソッドにより変身!

 「シアター1010 ワークショップシリーズ2019」として、待望の「成井豊のドラマ・リーディング教室」が今年も開催されている。
 これは、舞台芸術の普及と人材育成を目的に、最もチケットが取りにくい演劇集団キャラメルボックスの演出家・成井豊が、一般応募者に指導するワークショップだ。
 今年は、1月12日から毎週土曜日に稽古を重ね、3月3日(日)の最終稽古後に、本番の「発表会」を迎える。毎年「応募者」が、成井のあのスレンダー・ボディのどこから出るのだろうと思える大迫力の声と、熱意ある指導により「出演者」に変身。心身を開放して堂々と舞台に立つ姿は感動的だ。
 成井は「『ドラマ・リーディング』とは要するに、身体表現をともなわない演劇です。なので、参加者の皆さんには、演じることの初歩的な技術を身につけ、同時に演じることの楽しさを味わっていただきたいと考えています」と語る。
 今回の作品は、新美南吉の『ごん狐』『てぶくろを買いに』『牛をつないだ椿の木』。「新美南吉は大好きな作家です。数年前に『おじいさんのランプ』と『牛をつないだ椿の木』をやりましたが、その時から次にやる時は『ごん狐』を、と思っていました。南吉の童話はどの作品にも他者への思いやりが溢れ、感動せずにはいられません」と作品への想いは深い。
 成井の公式ブログは、驚異的な読書量、映画・DVD鑑賞量による内容で溢れている。「今年に入ってから20本以上見ていますが、一番おもしろかったのは、『カメラを止めるな!』です。ストーリーのおもしろさも抜群でしたが、全編にみなぎる映画への愛情に強く胸打たれました。3月の発表会で、出演者には、緊張を乗り越えて、ぜひとも演じることの楽しさをお客さんに伝えていただきたいと思いました。ドラマ・リーディング教室の発表会は、出演者全員がアマチュアだとは思えないほど、質が高い。それが10年続けてこられた理由だと思います。演劇や朗読に興味のある方は、ぜひとも発表会にご来場ください。必ず楽しんでいただけると思います」。成井メソッド炸裂の舞台が心待ちされる。
【日時】3月3日(日)午後2時開演【場所】シアター1010ミニシアター(稽古場1)【料金】無料(予約制)【予約・問合せ】TEL5244・1011