足立朝日

東日本大震災から8年 足立区の防災・減災 銭湯で初の防災訓練も

掲載:2019年3月5日号
 まもなく3月11日。東日本大震災から8年を迎える。全国で災害が多発している今、防災は大きな課題だ。

◆3月11日(月) 銭湯で防災訓練参加者(着衣)を募集中
 地震はいつ、どこで起こるかわからない。もし、銭湯で入浴中だったら……。
 いざという時に少しでも安全に避難できるように、3・11に合わせて銭湯「曙湯」で防災訓練が行われる。主催は「あだち銭湯文化普及会」、「銭湯・奥の細道」。
 銭湯は、利用客が裸の無防備な状態でいる特殊な環境であるため、他施設とは異なる避難誘導が必要になる。また、火を使う施設でもあることから、初期消火も重要だ。
 今回の訓練は「防災銭湯」と題して、これまでに大阪、兵庫、三重などの銭湯(一般公衆浴場)で実施されてきたもので、都内では初。
 訓練は営業時間中に大地震が起こったとの想定で、参加者が入浴客役になり実施。地震発生の合図で桶を頭に被って、店主の誘導により店外に避難する。また、浴室で水消火器を使っての消火訓練、消防署による防災・防火の質問コーナーなどもあり、日常で役に立つ内容となっている。
 訓練は誰でも無料で参加できる。もちろん着衣のままなのでご安心を。
〈防災銭湯 参加者募集〉
【日時】3月11日(月)午前11時~正午予定(10時45分集合)
【場所】曙湯(足立4‐22‐3/「五反野駅」徒歩約5分) 
【料金】無料
【問合せ】TEL090・5760・2391荒木
◆区はマンホールトイレなど整備に基金
 足立区では地震や水害などの危険に向けて防災減災対策整備基金を創設、平成30年度3月補正予算で40億円を積立計上する。公共施設等の整備の財源を確保するもので、避難所(学校体育館)エアコンの整備、学校敷地内マンホールトイレの整備、旧入谷南小学校跡地に防災拠点整備、千住大橋防災船着場を整備に当てられる。
 現在校庭には、掘り出して使うアースイントイレがあるが、設置には10人で1時間ほど必要で、高齢者には重労働となる。その点、マンホールトイレは、下水道上のマンホールの蓋を開けて洋式便座とテントをセットするだけで済み、2人で20分程度で設置できる。
 また、足立成和信用金庫が区と「協働・協創推進のための包括連携協定」を3月20日(水)に締結、4月1日から新たに「防災対策融資」を開始する。自宅の耐震改修や事業所のブロック塀倒壊防止対策など防災関連を対象に、金利を最大0・1%減らし支援する。

写真/1月に兵庫県で行われた訓練の様子