足立朝日

林家たけ平 彩の国落語大賞を受賞

掲載:2019年4月5日号
 足立区出身・在住の噺家、林家たけ平が、平成30年度彩の国落語大賞を受賞。3月12日(火)、彩の国さいたま芸術劇場 (埼玉県さいたま市)で表彰式が行われた。
 同大賞は「彩の国さいたま寄席~四季彩亭」(埼玉県芸術文化振興財団主催)に出演した若手落語家の中から、最も優れた演者に贈られるもの。昨年4月から今年1月までの間に出演した14人を、観客によるアンケートで採点。たけ平の「宗論」はダントツ1位の票を獲得した。
 歴代受賞者には初年度(平成10年)の林家たい平をはじめ、立川志らく、柳家喬太郎、立川談春などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。また、25年度には千住出身・在住の三遊亭兼好が受賞している。
 竹内文則理事長は表彰状と賞金の授与とともに、「この賞は落語会を背負って立つ人ばかりが受賞している。たけ平師匠にも20年後、巨匠となって大ホールの独演会をやって欲しい」と期待を込めた。
 たけ平本人は、四季彩亭が賞の対象なのを知らずにいつも通りに高座を務めたそうで、受賞に驚いたという。「たい平で始まって、平成最後に林家なのは縁を感じる。林家は一生懸命がモットー。一生懸命やることが報われ形になるのは、心からうれしい。お客さんに決めてもらうのもいいですね」と語った。
 歓談は噺家ならではの、終始笑いの絶えない時間となった。サラリーマン時代に聞いたこぶ平(現正蔵)の落語をきっかけに、「初めて聞く人が楽しいと思える落語をやりたくて」と、こぶ平に弟子入り。その初志を貫き、師匠の「正蔵」襲名後も「平」の名を変えずに、こぶ平の一番弟子である誇りを語った。

写真/たけ平の噺が埼玉県民も魅了=彩の国さいたま芸術劇場で