足立朝日

103.「新道地守稲荷神社」 足立3-11

掲載:2019年7月5日号
 足立・梅島・中央本町方面の千住新橋側道から綾瀬方面の道へ。歩くこと約8分、一瞬通り過ぎてしまいそうになる住宅と住宅の間に挟まるように建っているのが「新道地守稲荷神社」だ。
 小さな境内に木の鳥居と祠のみ。元はこの地域の豪族である鴨下家の屋敷の表鬼門にあたる場所に祀られていたといわれている。ちなみに裏鬼門の位置には、三十番神七面大明神社(足立2-8)が祀られている。
 詳しい創建年代などは不明。ただ、昭和12年(1937)頃まで近くの西之宮稲荷神社(足立3-28-13)前から南に進む道路の西側に水路があり、その水路を隔てて西に小高い竹藪が茂り、地元の人たちから「長山」と呼ばれる場所の北東の角に稲荷の祠があったと伝えられている。この長山は、補助136号の工事により整理された。
 鳥居には「新道地守 正一位稲荷大明神」と書かれた木製の額が付いている。稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社が「正一位(※神様や人に対して朝廷からつけられた最高の位)」であるため、そこから歓請した稲荷神社のほとんどが正一位を称している。
 その他、昭和38年(1963)にNHKが初午行事を行っている珍しい稲荷社として取り上げられたこともある。
【交通】綾瀬駅から、はるかぜ12号「西新井駅東口」行きで「足立三丁目(足立小学校)」下車、徒歩約2分

写真/四方を住宅に囲まれた中にひっそりと建つ神社