足立朝日

足立区町会・自治会連合会の新会長に就任 羽住 奎 さん(86) 中川1丁目在住

掲載:2019年9月5日号
人と人との絆づくりが第一歩

 「会長代行からの横すべりですから……」――。7月31日(水)に開かれた足立区町会・自治会連合会総会で、新会長に選任された羽住さんは、開口一番こう謙遜した。これまで6期10年もの間、会長職を担ってきた有馬康二さんからのバトンタッチだ。
 有馬さんに負けず劣らずの羽住さんの温和でソフトな笑顔は、むべなるかな、実父が禅宗・曹洞宗の寺院の住職で、本人も僧侶の資格を持っており、その「環境」や「育ち」から来ている、とみた。
 東京生まれ。父親の仕事の関係で愛知県、静岡県などに居を移し、高校卒業後、駒沢大学で学び、その後、同大学の付属高校の教員として教頭、校長を歴任し、教員生活40数年。その間結婚して今の足立区中川の地へ。
 教員を辞めてからの羽住さんの第2の人生が、現在に直結する。保育事業を経営しながら、地域・町会・自治会運営に専念することになった。隅田自治会会長から14の町・自治会が加盟する第18地区のまとめ役(会長)になって約20年。 
 この間、18地区の地域運動の発展は目覚ましい。防犯、防火・防災、交通安全、環境衛生の4部門を持つ「中川地区安全対策会議」を立ち上げ、現在、各部門は着実に歩みを進めている。
 一方、街では、町会・自治会役員の高齢化が進み、各家庭とりわけ若者世代の町会・自治会離れが喧伝されて久しい。
 それを、どう乗り越えていくか!? 羽住さんは「私たち一人一人が地域の歴史や伝統を学ぶことが大切なんです。それは一気には出来ません。様々なイベントや活動に接してもらう中で、少しづつでもそういう人たちを増やしていくしかない」と話し、さらに「人と人との絆を深めることがまず第一歩だと思います。隗より始めよ、ということですね」と続けた。
 人間関係がバラバラにされている社会の中で、一番難しい「絆づくり」をどう進めるのか。羽住さんが提起する課題は、我々に突きつけられている課題でもある。