旧日光街道、千住小橋付近 大正年間。
4月半ばにマルイで開かれた千住空襲戦跡展を参観した。焼跡の写真を撮影された故若田正治さんとは約30年前、何回もお目に掛かり豊富な昔話をいろいろと拝聴したことがあります。
展示会におられた方にその話を申し上げた処、ゆっくり話し合いたいとの事で後日訪問した。
岩田さんと同じ仲町の旧家のご主人宅で古い写真を見せていただいた。今回はその中の1枚を紹介いたします。場所は現在の仲町19番地付近で、火の見櫓から撮影されたもの。中央の大師道の横を流れるのは江川堀で、昭和6年頃暗渠(あんきょ)化されて下水道となった。馬車が渡っているのが千住小橋で、真中の家は稲垣葬儀社、手前の家は神田屋文具店でいずれも近くに移転した。右の洋館は郡役所で、その後区役所となり、昨年4月、足立産業芸術プラザがそこに開館した。この1枚は、戦前の仲町付近の貴重な記録となっている。
(撮影・文=太田畯三さん・千住旭町在住)