足立朝日

Vol.209 成井豊のドラマ・リーディング

掲載:2020年1月5日号
19名の受講生 2カ月の挑戦!

 シアター1010ワークショップシリーズ2020・声だけの演劇「成井豊のドラマ・リーディング教室」がスタートした。今回11回目の受講者は19人で、成井の大迫力の指導を受けながら、全7回のレッスンをこなし、2月の本番「発表会」に備える。
 作品は、成井が好むO・ヘンリー原作「最後の一枚の葉」「罪と覚悟」。「感情量は音量ではなく、上げて抑える(支える)こと。支えるのは日本人の美徳だが、この舞台はニューヨーク。見せかけは日本人でも、キャラクター・振る舞いをアメリカ人に」「セリフにメリハリを付け過ぎると、用意された言葉になってしまう。言葉はもっと乱雑で、話し言葉には勢いがあるはず」「対象のお客様が少ない読み方。もっと沢山の相手を意識して」など、誰もが理解し納得できるアドバイスが、成井から次々と飛び出す。
 今回の参加者で、ドラマ・リーディング初心者は4人のみで、あとは何かの形での経験者が顏を揃えている。それゆえ「最初からレベルが高く、今回は腹式呼吸・滑舌と共に、普段はやらない(声の)『共鳴』までやった」と、成井も最善の指導方法を模索している。
 成井が演出を担当する演劇集団キャラメルボックスは、昨年6月に活動休止を発表。その反響はあまりにも大き過ぎたが、成井は再開への情熱を胸にたぎらせて時間を有効活用中だ。まずは、インプット量には目を見張る。毎日更新されるブログの読書量は変わらず圧巻だが、映画DVDは昨年12月時点で既に410本を鑑賞したという。これら全てが成井の豊かな感性をさらに昇華させている。
 「実際の発表を観た人が、今度は自分がと応募してくれる。出演者にはとにかく練習を重ねてほしい。昨年よりもさらに面白いものにしたいと挑戦中。たった7回のレッスンで、アマチュアがここまで進化する感動的な姿を、皆さんにご覧いただけるとうれしい」
 さあ、今年はどのような成井マジックが展開されるか!
【発表会日時】2月9日(日)午後2時【場所】シアター1010ミニシアター(北千住マルイ10階)【入場】無料、予約制、未就学児不可【申込】1月12日(日)よりTEL5244・1011

写真下/過去の発表風景