足立朝日

夏は三三流 噺の世界へ

　ファン待望、千住落語会「柳家三三独演会～粋な落語で夕涼み～」が、この夏、シアター１０１０で行われる。本日５日、一般予約開始のタイミングで、一足先に三三紹介。
　通称ミミちゃんで親しまれる三三は、中１で小田原から東京の寄席に通い始めた。中２で十代目柳家小三治に弟子入りを希望したが、「高校を出たら」という条件をつけられ、待ちに待った５年後の１９９３年、高座を終えた小三治の出待ちをして、ようやく入門を許された。とは言え厳しい小三治からはダメ出しが出るのみで「何がダメか」の教えはない。常に高い水準を求める小三治の期待に応えるべく、三三は試行錯誤を繰り返しながら努力を重ねた。
　１９９６年に二つ目昇進後、２００６年に真打昇進するまで、第９回北とぴあ若手落語競演会「大賞」（１９９９年）、平成15年度にっかん飛切落語会若手落語家「大賞」など受賞。昇進後も、第11回 林家彦六賞（２００６年）、平成19年度文化庁芸術祭大衆芸能部門「新人賞」、同年度「彩の国落語大賞」、平成21年度花形演芸大賞「大賞」、平成27年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞（大衆芸能部門）など、数々の受賞を重ねて注目を浴びた。さらに、ＮＨＫ教育テレビ「おかあさんといっしょ」では声優、映画「やじきた道中てれすこ」では「大工の源ちゃん」として出演（２００７年）、２０１０年より小学館「ビッグコミックオリジナル」に連載された漫画「どうらく息子」の落語監修など、テレビ・映画界でもその才能を遺憾なく発揮している。
　老若男女を問わず、登場人物を彷彿させる声音と雰囲気が絶品で、観客の咳でさえ一瞬にして噺に取り込んでしまうセンスと臨機応変さが抜群！　聴きやすくテンポの良い語り口で、観客をあっという間に噺の世界へと引き込む。
　新型コロナウィルスの脅威から観客を守るため、３月13日の独演会を中止した際には、同日同時刻にYouTubeで落語を配信。その粋な計らいと、「落語をしゃべることに飢えてますから」という三三らしい理由が、多くのファンと視聴者を魅了した。
【日時】７月１日（水）午後６時30分【料金】３８００円、フレンズ会員・足立区民（在住・在勤・在学）割引有、未就学児入場不可【チケット】TEL５２４４・１０１１