足立朝日

Vol.211 千住落語会vol.17「春風亭一之輔 独演会」

掲載:2020年5月5日号
重陽の宵に笑み栄ゆ

 この秋、シアター1010が贈る「千住落語会」に、「チケットが取れない落語家」としてファン泣かせの春風亭一之輔が「重陽の宵に笑み栄ゆ」を副題に登場!
 日本大学芸術学部放送学科在学中、落語研究会で落語の魅力に憑りつかれた一之輔は、2001(平成13)年5月、春風亭一朝に入門。同年7月に前座となり、朝左久として活躍。2004(平成16)年11月に二ツ目に昇進し、ここから「一之輔」としての歴史が始まる。2012(平成24)年3月に、念願の真打に昇進するが、携帯電話のパワー切れにより当時の落語協会会長・柳家小三治からの連絡を受けられず、師匠も本人もそれを知らなったというユニークなエピソードを持つ。
 滑稽噺から人情噺まで200を超える持ちネタがあり、古典落語の幅の広さに驚かされる。噺に洒落・駄洒落・ギャグなどをふんだんに盛り込み、古典落語を老若男女が楽しめる内容にする創意工夫のセンスが抜群! さらに、登場人物の設定を、今風のキャラクターに創り変える技が素晴らしく、一之輔により誰もが落語の面白さに開眼するという実力は、東西問わず支持されている。
 受賞歴は数知れず、主なものでも2008年「第4回 東西若手落語家コンペティション優勝」、2009年「第19回 北とぴあ若手落語家競演会 大賞」、2010年「平成22年度NHK新人演芸大賞」「平成22年度文化庁芸術祭新人賞」、「平成23・24年度 国立演芸場花形演芸大賞」 連続「大賞」、2015年「平成27年度 浅草芸能大賞 新人賞」など。
 年間900席もの高座をこなすパワフルさにも脱帽するが、寄席、ホール等どの会でも、余すところなく力を発揮。新型コロナウイルスにより、人々が自宅に留まる日々の中で、4月21日から30日までの10日間連続、YouTubeで落語を生配信し、ファンを狂喜させた。同配信により、落語を知らない世代もその楽しさを享受。一之輔ファンがさらに増えたことは言うまでもない。
 この秋、家族・友人・恋人と共に豊かな話芸を堪能できるチャンス。【日時】9月9日(水)午後7時【料金】3800円 ※フレンズ会員・足立区民(在住・在勤・在学)割引有、未就学児入場不可【発売日】5月29日(金)【チケット】TEL5244・1011

写真/撮影:キッチンミノル