撮影=斎藤昇さん(68)柳原二丁目在住
路地をちょっと入った所に、地元の人たちが信仰するお地蔵さんや観音様が置かれた場所を見かけるが、写真もそんな場所のひとつだ。ここは、東武線と京成線が交差する場所に近い千住曙町、ちょうど京成線の土手の真下に置かれた小さな祠(ほこら)。奉納されているのは十一面観世音だ。斎藤さんがカメラを構えていると、ちょうど車イスに乗った老婆が介護の方とやって来て老婆は手を合わせ、介護の女性は頭を下げた…。祠を守るように立つのが桐の木で、斎藤さんによると「6月頃、上に向ってうす紫の花が咲き揃い、とてもきれいですよ」。
【交通】東武線「牛田」駅、京成線「京成関屋」駅下車、徒歩5分
(選者・学芸員 小林基治=日本写真会同人)