足立朝日

Vol.216千住落語会 vol.19 立川談春 独演会 ~花より笑い~

掲載:2021年2月5日号
落語家と俳優の感性全開の独演会

 ファン待望の「千住落語会」がこの4月、シアター1010で開かれる。
 19回目の今回は「花より笑い」を副題に、俳優としてもその実力を存分に発揮している立川談春の独演会を楽しめる。
 中学時代に競艇のスター選手に憧れ、競艇学校を目指した談春は、その高身長が不利となり断念。しかし、幼いころから読書好きだったことから、中学の図書室で落語全集を読み込み、当時の漫才ブームをよそ目に落語に傾倒。後の師匠となる天才かつ異端児・談志の「芝浜」を実際に聴き、心を揺さぶられた。噺の後に観客が立てなくなっている状況を見て、談志の弟子入りを決意。17歳で夢を叶えた談春は、厳しい修行中に「礼儀作法を身につけて来い!」の談志の一言で、1年間築地の魚河岸で働くことに――。
 入門から4年後の1988年に二つ目、1997年には真打に昇進。その間に志らくが入門し、良きライバルが現れたことで、談春はさらに研鑽を積んだ。1997年・林家彦六賞、2003年・平成14年度彩の国拾年百日亭若手落語家競演シリーズ大賞、2004年・平成15年度国立演芸場花形演芸会 大賞など数々の賞を受賞。2008年には、談志との逸話や前座時代のエピソードを記した連載エッセイが「赤めだか」(扶桑社)として文庫化され、第24回講談社エッセイ賞を受賞。同書は2015年にテレビドラマ化され、談志をビートたけし、談春を二宮和也が演じて大評判となった。
 自身も、テレビドラマ「下町ロケット」や映画「七つの会議」など多くの作品で見せた感性豊かな演技が、人々の心を打った。入門から37年目の「千住落語会」では、あの美しいお辞儀から始まる力強い落語とハンサムフェイスを堪能。春の訪れと共に、人気と実力を兼ね備えた古典落語の名手、豊かな表現力と独特の話芸で魅せる談春をシアター1010で楽しみたい。新型コロナウイルス感染症対策に万全を期している同館で、安心して鑑賞を。
【日時】4月7日(水)午後3時開演【料金】全席指定4200円 ※フレンズ会員・足立区民(在住・在勤・在学)割引あり ※未就学児入場不可【発売日】2月12日(金)10時から。※窓口販売・予約引取開始は2月14日(日)から【チケット】TEL5244・1011