足立朝日

北千住駅西口「トポス」跡に 「30階建てマンション」 東武ストアは先行オープン

掲載:2021年3月5日号
 5年前にスーパー「トポス」が姿を消した北千住駅西口の千住一丁目地区。その地の1階に、東武ストアが入った30階建て(高さ110m)のタワーマンションが出現。高齢者の多い街中と区内外の若者を中心に賑わう居酒屋やカフェの路地裏。184世帯の新住民はどう動く――。

◆東武ストアは「千住」「足立」を意識
 人気店のトポスが閉店したのは、2016年(平成28年)10月末。その半年前に、イトーヨーカドー系のザ・プライス千住店が閉店していて、西口の住民にとって駅ビル内のスーパーはあるものの、「買物難民状態」になっていた。
 東武ストアとしては、大師前店、梅島店(西新井駅前店は駅ビル改修で休業中)に次いで区内3店目の千住店を、1月末オープンの予定だったが、半月遅れの2月11日(木・祝)に開業。寒空に約50人が並んだため、開店時間を30分早めて午前9時半に店を開けた。
 開業の記者会見では、「新参者なので、敢えて千住、千住と言わないようにした」(多知幸男常務)と話した。
 旧街道への出店を配慮した「同ストア初の木目調の壁」(福田店長)が目立つ売り場には、千寿葱、同かき揚げ、出雲牛をあしらった1010円の「千住焼肉セット」、「置いてある千住の店で作り方を習った」(同常務)という足立区のローカルフード「文化フライ」、足立区製造の菓子のコーナーなどもしっかりと置かれた。
 広さは847㎡で、食料品売り場だったトポスの地階とほぼ同じだが、品数が多いため「狭い」と感じる客も。また、トイレは一度外へ出てエレベーターかエスカレーターで行く2階にあり、しかも広いバリアフリートイレが一つだけ。
◆30階建てマンション「千住ザ・タワー」(カノン千住)は3月末までに続々入居
 施工主の三菱地所レジデンスと区の都市計画課によると、マンション部分は4~30階で、広さは1R~3LDK184戸で、入居は2月下旬から始まった。
 2階に0歳児~2歳児19人収容の区立保育園、地元の町会などが使う広さ70㎡の多目的室、店舗が出来るが、いずれも4月スタートになる。
 西口駅前の再開発は、これで一段落。同マンション建設前の住民説明会で問題提起があった「高層ビルの風害」が、施工主の説明通りに技術的に抑えられているかどうか。また、次々とカフェや飲食店が誕生し、区内は元より他区からも若者が来訪して賑わっている路地裏の景観とどう調和させていくのか、千住の町を愛する住民たちの動きに注目だ。

◆東武ストア北千住店の福田浩一店長(63)の話 千葉・柏店店長から転身しました。20年くらい前にこの地の「トポス」の店長を4年間やった経験があるので、高齢のお客さんが多いことはよくわかっています。品数はかなり多いと思いますが、低カロリーでおいしく食べられる物を用意したり、地産地消をかなり意識しました。

◆地元千住本町通り商店街の鈴木健嗣理事長(68)の話 前のトポスは地下、1、2階フロアに食料品だけでなく衣料品など色々あった。今回は1階の食料品だけなので逆に商店街にとってはチャンス。飲食店などは「人出が増えたので、来客も増えた」と喜んでいます。コロナ禍で厳しいこの時代、共存共栄でやっていきたいです!

写真上/飲み屋横丁から見た千住ザ・タワー
中/入口付近の野菜・果物コーナーには千寿葱も
下/お菓子コーナーには、「足立のお菓子」が並ぶ