足立朝日

チラシの作り方がわかる本 「住民のこころをつかむ自治体チラシ 仰天!ビフォーアフター」 シティプロモーション課

掲載:2021年3月5日号
 SNSでの発信が様々なブームを巻き起こしているが、一方で、チラシやポスターなど、世代を問わずパッと目に入る情報の力は大きい。
 魅力的なチラシは、出会えたこと自体にウキウキとした気分になり、読んでみたくなる。逆にごちゃっとしたものは読まれることなく資源ごみ行きだろう。
 では、その差はどこにあるのか――。そんなノウハウを伝える本「住民のこころをつかむ自治体チラシ 仰天!ビフォーアフター」(学陽出版)が、足立区から発行された。著者はシティプロモーション課。
 足立区のイメージアップを目的に、2010年に民間の経験者2人を採用して創設された同課は、この10年間で区の広報物を劇的に改革。その結果、イベントの応募者・入場者数は増加、区民の意識や、北千住人気など外からのイメージアップにも寄与している。最近、区の印刷物を楽しみに感じている人も多いのではないだろうか。
 この本は「ビフォーアフター」の名の通り、足立区で作成されたチラシの実例約50点を、改革前と後を比較して掲載。その違いは一目瞭然で、「これが商業デザインを知るプロの力か!」と驚かされる。
 ターゲットの設定やキャッチコピーの作り方、写真の選び方や大きさなど、インパクトのある紙面を作るポイントを丁寧に解説。
 例えば第1章の「『伝えたいこと』と『知りたいこと』は違う」では、よく作る側が陥りがちな詰め込み過ぎて伝わりにくくなることを指摘し、「チラシは読むものではなく『見てわかる』が基本」とズバリ説かれている。
 自治体職員でなくとも、店やNPO団体、趣味のイベントやワークショップなど、チラシを作る上で参考になるポイントやアドバイスが満載。上司への提案のサンプルにも使える。必見の1冊だ。
【メモ】「住民のこころをつかむ自治体チラシ 仰天!ビフォーアフター」A5・128頁・全頁カラー/2200円+税/学陽出版(2月17日発行)